膝枕(する方)

 香澄と隼人が並んで座る。


 つい先ほどまでクリスマス特番に茶々を入れながら仲良く見ていた二人だが、香澄が静まっているのを感じて、隼人は隣を見た。


「……眠そうじゃん」

「まだまだ眠くないし……あと一年は起きてられるし……」


 半分夢うつつの香澄が、よくわからない言葉を発する。


「眠いならちゃんと寝ろ」

「眠く、ないし……」


 香澄は、強がりながら隼人の肩に頭を載せる。


 隼人は苦笑して、香澄を部屋へ運ぼうとする。


「膝枕して……」


 その言葉で隼人は、香澄は寝ぼけてるんだなということがすぐにわかった。


「こんなところで寝ると風邪ひくぞ」

「大丈夫大丈夫、暖かい服装してるから」


 言いながら香澄は、隼人により深くもたれかかる。


「清原くんが膝枕してくれないなら寝ないし……」


 どちらにせよ香澄はもうじき寝そうではあったが、隼人は嘆息して香澄に膝を貸した。

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