深夜の特別感

「見て見て、クリスマス特番だって!」

「俺は、そういうのってあんまり面白くないイメージがあるな」


 はしゃぐ香澄に、隼人は信じられないくらい冷めた反応をする。


「でも、男の子とクリスマス特番見ることなんて滅多にないし、楽しみ」


 香澄の言葉に隼人はぎょっとした。


「べ、別に楽しみじゃないだろ……」

「私は楽しみだよ。清原くんだし」


 隼人は自分だからといってなんというわけでもないと思っていた。だからこそ、香澄の言葉で驚く。


「いや、なんで俺……」

「まあまあ。深夜だし細かいことは気にしない!」


 よく香澄の顔を見れば、いつもよりなにも考えてない笑顔に見える。


「じろじろ見ないでよ恥ずかしいから~。まあ、清原くんならいいけど!」

「あれ、住友さんってそういうタイプだっけ」


 深夜テンションに陥った香澄がいつもよりはしゃいでいるのを、隼人は横から眺めた。

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