シンプル可愛い

「隼人くん、ありがとう」


 香澄の感謝の言葉を聞いて、隼人はそれだけで無理してでも香澄に手袋を買って良かったという気持ちになる。


「手袋、よく似合ってるよ」


 冬の夜は寒いのに、香澄の身体は火照っていた。


「嬉しいな」


 はにかむように健気に笑った香澄の姿に、隼人はノックアウトされた。


「そのくらい喜んでくれると、ちょっと無理して買った甲斐があるな」


 隼人は、なんとか言葉を紡ぐのが精一杯だった。

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