俺も後悔してない
「俺も、後悔してない。というか、後悔する暇もないな。一人暮らしだと家事全般も自分でやらなきゃいけないし」
「私に会えたことは嬉しくないの?」
にやにやしながら訊いてくる香澄を見て、隼人は憎めないなあと思いながら正面を向きなおす。
「……まあ、嬉しい」
照れながら言った隼人の姿が香澄のツボにはまったのか、香澄は悪戯っぽく笑う。
「可愛い」
「それ、どういう意図で言ってるの……?」
「ただ、照れてる清原くんが可愛くて」
香澄はまだにやにやする。
「……じゃあ、住友さんも可愛い」
隼人による不意の反撃に、香澄は目を見開き、そして頬を紅潮させて押し黙る。
「あれ、住友さん? 大丈夫?」
「……そろそろ駅も見えてきたね、イルミネーション楽しみ」
香澄が適当に誤魔化して、隼人は煙に巻かれたような気分になった。
「もうイルミネーション点いてるみたいだね。しばらく回ったら、買い物しよう」
「そうだね」
香澄と隼人は、肩を並べて駅前のイルミネーションが広がる場所へ歩いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます