巨乳を支える肩はかなり凝るらしい

「じゃあ、肩もみでもしてもらおうかな」


 香澄の指示は隼人の思っていたよりも楽なもので、どちらかといえば香澄の身体に触れられるので隼人にとってはご褒美――


 それはともかく、隼人はその意図がいまいちわからず首を傾げた。


「ほら、これがかなり重いから凝るんだよね」


 香澄は悪戯っぽく笑って、胸の下に手を入れて持ち上げる。


 これくらいのサイズ感があればそんなことも出来るんだなーと馬鹿なことを考えながら隼人は視線を逸らした。


「お願いできる?」


 香澄は真面目な表情に戻って隼人に尋ねる。


 隼人はと言えば、ころころ変わる香澄の表情に少し置いてきぼりを食いながらも、頷く。


「じゃあ、朝ごはん食べ終わったらよろしくね」

「わかった」


 隼人は、香澄が作ったピザトーストを口元へ運ぶ。


 それだけでチーズ塗れのベーコンと、トーストしたばかりのパンの匂いが鼻腔をくすぐる。


 隼人はついにそれを口へ運ぶ。


「美味しい」


 トマトソース、チーズ、ベーコン。この三種の相性の良さは言わずもがな。


 さらにさくさくのパンの香りが口腔に広がり、完璧の朝食と形容しても問題ないくらいの美味。


「ピザトーストは作る人の腕が他の料理より出ないから楽でいいね」


 香澄はそう言ったが、隼人が作るとしたらこれより数段味が落ちるので、隼人は首を横に振った。


 

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