半裸の付き合い
「お風呂ありがとう!」
香澄は、わざわざお風呂から最も離れた隼人の部屋までやってきて言った。
礼儀正しいのは良いことだが、彼女は薄着すぎた。
「目のやり場に困るんだけど……寒くないの?」
「隼人くんにお礼を言うのが先かと思って」
「お風呂入ったくらいでお礼は必要ないから、とりあえず服を着ようか」
彼女が下になにを着ているのかはわからないが、タオル一枚に身を包んでいて、肌の露出も少なくなかった。冬なのに。
案の定寒かったらしく、彼女はぶるりと身体を震わせると隼人に背を向けて隼人の部屋を出た。
「一体なんだったんだ……?」
隼人が視線を手元のスマホに移したのも束の間、すぐに部屋の扉が再び開かれて、今度はパジャマを着た香澄が姿を現した。
「服を着てからもう一回来いって意味じゃないんだけど」
「ちょっと寂しくて。駄目?」
上目遣いに不安げな表情でそんなことを言われては、隼人が断れる道理はない。
「駄目ってわけじゃない。話し相手くらいにならなれるよ」
「じゃあちょっと話そうよ」
そう言って、机に向かってスマホを触る隼人を横目に、香澄は隼人のベッドに腰掛けた。
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