同棲、するらしい

 なにも隼人が悪いというわけではなく、普通は出会って一日目の人に同棲しようと言われても即座に断るのを、隼人は検討しているのである。


 検討している隼人の様子を見て、香澄はついに必殺技を繰り出した。


「嫌、かな……? そうだよね、バレたら最悪退学になるよね……」


 香澄は不安げな表情をして取り繕ったように笑う。


 先述した通り、隼人が香澄の不安げな表情を見たうえで香澄に逆らうことは絶対に出来ない。


「バレたらまずいなら、バレないようにすればいい……それで、いつから?」

「明日から」


 隼人は漢気を見せたが、香澄は隼人が思っていたよりも変人だったようで、対処が間に合わない。


 隼人は再び頭を抱えた。

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