LEVEL.11 カルマとの約束事
ロゼッタは手帳のメモの内容を再度確認してから、一旦ギルド国家の本部から出て歩いていると前からロイドが歩いてくる。
「お!噂の娘か!」
「あ、ロイドさん……でしたっけ?」
「おう!そうだぜ!そういえば、“道具屋出張所”の店員をするって話を聞いたんだけど」
「あ、はい!今は、何が必要なのか“討伐士”の人達に聞いて回っているんですよ!」
「あー、なら“フラン”と“レイヴン”さんなら市場の広場に居たぜ」
「ありがとうございます!」
「おう!がんばれよー!」
ロイドは満面な笑みを浮かべながらも、ロゼッタの頭を優しく撫でるとロゼッタから離れては本部へと入っていく。
(そういえば、初日にロイドさんに見られていたような気がするんだけど……忘れてくれたのかな??)
「とりあえず、市場の広場に居るって話だから急ごっ!」
ロゼッタは走っていき様々な品物が売られている市場へと到着すると、大きな広場へと早歩きして向かえば其処には2つの人影が見えてくる。
「おいおい、フラン!それは、買い過ぎだって!レヴァンさんに、怒られるって!」
少し焦った声を出しているのは黒紫色の髪色で少し長めのショートで前髪が少し長めにしており、紫色の瞳色をした少しタレ目に切れ長な目をしている。
魔導士のような服を軽く改造して、動きやすい感じにさせた服を緩く着た背の高い男性だ。
「大丈夫ですって、レイヴンさん!これなんか、レヴァンさんに似合いそうな服だと思うし!」
目を輝かせては珍しい服を漁っているのは水灰色の髪色をしたウルフカットにしており、薄めの水色の瞳色をした少しツリ目をしたパッチリ目をしている。
軽装なトレジャーハンターのような狩人のような服装を着ていて、腰には腰鞄を身に着けた青年である。
「いや、流石に………ん?」
「こんにちわ!」
「あ!そうだそうだ、レヴァンさんが新しい人が入ったって!キミが、そうなんだね!」
「あ、はい!“道具屋出張所”の店員をします、ロゼッタです!」
「僕、フラン!これでも、トレジャーハンターもやってるし射撃士としてもやってるよ!」
「あー、俺はレイヴン……いや~、女子が入ってくれるなんてなぁー!また、華やかになるってもんじゃん!」
「もー、レイヴンさん!で、ロゼッタさんは何で此処に??」
「実はー、」
ロゼッタは“道具屋出張所”の品揃えについて、フランとレイヴンに話をすると二人して目を輝かせては目の前で悩み始める。
「ドラゴン討伐で、アレが必要になるんじゃない?特に、僕とレイヴンさんには」
「あー、確かに」
「アレ、とは」
「えっとねー」
ロゼッタはがフランから詳しく話を聞きながらも、ちゃんと手帳にメモを書いているとレイヴンはロゼッタの後ろからメモの内容を見ていると、少し前のリカルドとシイナから聞いて書いた内容があった。
「リカルドとシイナちゃんにも、ちゃんと聞いてはメモをしているんだな」
「あ、はい」
「へぇー、魔導具かぁ……リカルドも作れるけど、やっぱ本職でもあるヴェテルが作ると質が違うもんな」
「リカルドさんって、魔導具作れるんですか??」
「我流だけど、作ってくれているよ」
「凄いっ、我流だなんてっ」
「ははっ、今度リカルド本人を褒めてやってくれよ」
少しの間だけだがロゼッタはレイヴンとフランと話をしてから、カルマとの会話を思い出しては慌てて本部へと走って戻っては周りの人からカルマの居所を聞いて裏庭へと向かう。
外は、もう夕日となった空だ。
裏庭へと向かったロゼッタは、夕日の明かりを受けながらも木に寄りかかって座り寝ているカルマの姿を見つける。
(あ、寝てる……)
(このままだと、風引いてしまうよね?起こさないと)
「カルマさん」
「……」
「おーい、カルマさーん??」
「……」
(余程、疲れたのかな?まぁ、真剣に仕事をしていたわけだから……うん、そうなるよね)
ロゼッタはカルマの側へと近寄ってみれば、急にカルマの手が伸びてはロゼッタの腕を掴んでロゼッタを引き寄せて、座ったままロゼッタを後ろから抱きしめるような姿勢になる。
「うえっ!?」
「イヒッ、驚きすぎやろ?ロゼッタ」
「お、お、おき、起きてたんですか!?カルマさん!?」
「おう、起きてた」
「酷いっ、声をかけてたのに!」
「イヒヒッ、わりぃわりぃ」
「絶対、悪いと思ってませんよね!?」
「悪いと思ってるで?」
「むぅ~……」
カルマが可笑しそうに笑いながらもロゼッタの頭を優しく撫でれば、ロゼッタは不貞腐れた表情をしながらもジト目でカルマの事を見ていた。
「それで、さっき“約束”についての話をするって言ってましたよね?決まったんですか?」
「おう!決まったで」
「で、内容は?」
「1週間後の“収穫祭”の3日目、デー、………一緒に周ってくれへん?」
「“収穫祭”、ですか?」
「おうっ」
「まぁ、特に予定は無いので大丈夫ですよ」
「ほ、ホンマにっ!?」
「はい、全然OKです!」
「よしっ!!や、約束やからな!?」
カルマはロゼッタの返事の内容を聞いては、凄く嬉しそうに笑みを浮かべては少しだけ強くロゼッタを抱きしめていた。
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