LEVEL.2 武道大会、強制参加!?





「いつも、ご苦労さまです……毎回、大変だろうに此処までの量作るってのは」


「いやいや、頼まれた限りは作りますって!それなりに、金は貰ってるし」



ロゼッタの父親は納品書をシュヴァートに手渡すと、シュヴァートは受け取ると懐から少し大きめの小袋を取り出してはロゼッタの父親に手渡すとロゼッタの父親は受け取る。



「彼女は?」



シュヴァートはロゼッタに気付いては、軽く首を傾げながらもロゼッタの父親に問い掛ければロゼッタの父親は優しく笑みを浮かべる。



「オレの大事な“娘”ですよ」


「あぁ、彼女が?」


「え、何??」


「いやぁ~!此処に来るたびにシュヴァートさんやヴォルグさんとかに、ロゼッタの話をしちゃってね?」


「なにしてんの??お父さん??」


「ははっ!!」


「いや、笑い事じゃないでしょ!?何、人様に娘の話をしてんのっ!?!?」


「まぁまぁ!ほら、折角の城内なんだからさ?ついでに、“武道大会”見てきたらどうだい?」


「誤魔化した」



ロゼッタの父親は満面な笑みを浮かべては、ロゼッタの背中を押して城内へと歩かせる。


それに対して、ロゼッタは明らかに不満気にしているが文句を言っても聞かないのはわかっているので、言われた通りに城内へと入り会場となっている場所近くの廊下を歩いている。



(でも、確かに滅多に一般庶民が気兼ねなく城内なんて入る機会ないけどさぁ~)


「ん?」



会場の入り口付近に差しかかると其処には、黒髪の軽装な剣士のような服装で軽く無精髭の男性が顎に手を添えては困った表情をしながらも、その付近を右往左往しながら忙しく歩いている。



「あー、あぁっ!ど、どうすればっ……」


「どうかしたんですか、そんなに右往左往して??」


「あぁ!お嬢さん!良いところにっ」


「へぁ!?」



無精髭の男性がロゼッタに気付いては、凄い勢いでロゼッタに近づいてはロゼッタの両手を自身の両手で包んでは悲願するような表情をしてロゼッタを見つめていた。



「え、あ、あのっ??」


「お嬢さんっ、失礼で申し訳ない!たが、お嬢さんに頼みたい事があるんだ!これは、早急な案件でっ」


「え、えっと……とりあえず、落ち着いて下さいって!何か、あったんですかっ?」


「そ、そうだな………落ち着いて、話さなければ意味が、ないなっ」



無精髭の男性が深呼吸をしてからロゼッタの両手を解放すると、ロゼッタは軽く安心した表情をしながらも男性の言葉を待つ。



「すまないな、落ち着いた」


「あ、はい」


「頼みたい理由を先に話すのだが、そろそろ妻が赤ん坊を産みそうだと従者からの話があってな?」


「おー!それは、おめでたいですねっ!」


「あぁ!……ずっと、子供が生まれず妻も今回の事が凄く嬉しそうでな?勿論、私も嬉しいんだ!だが、これから“武道大会”に参加となっていてな……」


「棄権とかキャンセルとか、出来ないんですか??」



無精髭の男性が困った表情をしてから首を左右に振っては絶望したかのような表情になり、ロゼッタも困惑な表情を浮かべていたのだが無精髭の男性がロゼッタの両肩を掴んでは凄んだ表情へと変わっていた。



「そ・こ・で、だ!!」


「へ??」


「お嬢さん、代わりに出てくれないだろうか!?参加賞の金は、お嬢さんに捧げよう!!どうだろう、か!?」


「え、あ、いや、あのっ」


「どうかっ、頼むっ!!」


「ぅ………」



ロゼッタは目の前の必死な無精髭の男性を見ては、無精髭の男性が真剣であり話は嘘ではないのは分かった。


だが、自分は戦った事がないのだ。



「………本当に、参加賞は貰えますよね?」


「あぁ!もしも、決勝戦や準決勝まで行って褒美なども全部、だっ!」


(いや、そこまで行かないけどね!?)


「わ、わかりました……」


「あぁ、ありがとう!お嬢さんっ!これが、番号札の腕章だ」



無精髭の男性はロゼッタに黒い腕章を手渡すと、本当に急いでいるのかロゼッタに深く頭を下げては急いで走っては門の方へと走って立ち去っていく。



「あー、適当に棄権とか……」


「棄権とか、出来ないっすよ」


「うぇっ!?」


「何っすか、その変な声」



ロゼッタは声がした真横を見れば其処には、焦げ茶色の髪色をしたハネっ毛のあるセミロングを後ろで軽く束ねて頭にはライダー用のゴーグルを身につけていて、少しツリ目にジト目をした紫の瞳をしており、白いYシャツを着ていて上着は灰色のファーが付いた青紫色のロングジャケットを着ている青年が軽く笑っていた。



「え、棄権とか出来ないの??」


「そうっすよ、参加した限りは……ちなみに、試合中に白枠から出て失格で追い出されるような真似もアカンっすから」


「えぇ!?だ、駄目なの!?!?」


「ふふっ、まぁー精々頑張るっすよー“代理参加者のお嬢さん”?」


「えっ、ちょっと!?お兄さんっ???」



ロゼッタはゴーグルの青年を呼び止めようとしたが、ゴーグルの青年は別の部屋へと入っていき其処には“関係者立ち入り禁止”と書かれていた。



「ひ、ひどっ……!!」


「庶民が困っているのに、助けないの!?もー、何なのアイツぅっ!!!」


「うぅ………、意地でも参加しないといけないとか…………最悪ぅ~、クソったれ!」




ロゼッタの捨て台詞を聞いたゴーグルの青年は可笑しそうに笑っては、近づいてきた人物を見ては軽く笑いながらも見つめる。



「何や、楽しそうだな?シキくん」


「あー、楽しいっすよ?それより、アンタも参加なんっすか?」


「おん、参加しろってシュヴァートがな」


「あー、さっきの女の子………可哀想だなぁ」


「ん??」











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