“視える”道具屋さんは、ひょんな事からギルド国家の城内暮らし!?

ぬこちゃろ

LEVEL.1 “視え”ちゃうんです




暖かくて微睡みの中、何処となく懐かしさのある夢を眺めていた感覚が心地良く感じていた。



ーガンガンガンッ…!!



「起きなさい!何時まで寝てんのよ、ロゼッタ!?」



大きな音で目を覚まして側を見れば其処には、淡い金色をした背中ぐらいのゆるふわとした髪型をしており、パッチリ目をした翡翠色の瞳をして、パン屋らしい服装をしている女性がフライパンとお玉を持って怒った表情をしていた。



「ほら、もう朝よ?もう少しで、昼になっちゃうわよ……まったく」


「えー、あー、……おはよ~お母さん」


「ご飯用意してあるから、さっさと着替えて支度したら下に来なさいな」


「あ、うん……」



ロゼッタの母親は少し呆れた表情をしてから、ロゼッタの部屋を出ては一階へと降りため階段を降りていく。


ロゼッタは背伸びをしてからベッドから起き上がり角に座っては立ち上がり、側にあった服を掴んでは着替えて化粧台前に来ては髪を整える。

其処に映っているのは、淡い金色をしたセミロングに大きめな青色のリボンで束ねた左ハーフポニーテールをしており、少しツリ目にパッチリ目の青色の瞳をして、青色のジャケットのようなモノを着て下は白色のYシャツに水色に黒いツインラインの膝上のスカートで焦げ茶色のロングブーツを履いている少女である。



「よしっ、支度終わり!」


『みゃあ』


「お!お前さんも、今起きたの?」


『みゃあ~』



白色の猫がロゼッタの足下で甘えた声を出していて、ロゼッタは白色の猫の顎を撫でたり頭を優しく撫でたりする。



「大人しくしているんだよ~?」


『みゃあ~~』



ロゼッタは自室を出ては階段を降りていくと、いい匂いがしてきてリビングへと入るとロゼッタの母親が色々と準備をしていた。



「そうそう、ロゼッタ」


「んー?ふぁい?」



ロゼッタが椅子に座っては、テーブルの上にある皿に乗っているトーストを掴んでは一口食べていると母親が話しかけてくる。



「あの馬鹿が、一部の荷物を置いて行っちゃったから“城”に運んでくれない?玄関に置いてあるヤツなんだけど」


「お母さんだけだよ、お父さんを“馬鹿”呼びしてんの……」


「いいのよ、馬鹿を馬鹿って呼んで」


「相変わらず、辛辣だなぁ~……まぁ、気持ちは分かるけども」


「ついでに、途中の出店とかで買い食いしてもいいわよ」


「まじっ!?やったぁー!じゃあ、行く!」



ロゼッタのテンションの切り替えに呆れながらも、母親は小袋から金貨など取り出してはロゼッタに手渡すとロゼッタは嬉しそうに笑みを浮かべていた。



「あんまり、遅くならないようにね?」


「はぁーい!」



ロゼッタは残ったトーストを食べ尽くしてから、椅子から立ち上がり玄関先にある父親が忘れた荷物らしきモノを持ち上げる。



「行ってきまーすっ!」


「はいはい、気をつけてね」


『にゃぁ~』



ロゼッタが家を出ては大通りに出ると其処には、沢山の人ともに様々な出店が立ち並んでは凄く賑わっている。

それを見たロゼッタは、何処となく嬉しくて駆け出しては色々と眺めたり焼き鳥や豚串などを買っては食べながらも歩いていた。



(平和だなぁー、相変わらず!)



“ギルド国家”は負け知らずでもあり、難易度の高い魔物さえも簡単に討伐も可能にさせる“無敗の国家”とも言われている。



(他の国とかでは、争いとかあって大変なんだって前に来ていた冒険者の人が言っていたような?)


(それを考えたら、此処は凄く賑わって暮らしも安定しているんだよねー)



ロゼッタが城の近くの道を通っていると、半透明なおじさんを見つけるのだが頭を見てハゲていたから笑ってしまう。



「っ~」


(うわぁ……)



ロゼッタが一人で笑っている光景を見てしまったのは、明るめの茶色の髪色をしたミディアムにオレンジ色のバンダナを頭に巻いていて、少しキツめのツリ目をした黄色の瞳をして、半袖の黒いシャツを緩く着ている感じに上着を腰に身に着けており、何処となく好青年である。



(あ、“自警団”の“ロイド”さんだ……)


(も、もしかして……おじさんを見て笑っていたの見られたっ!?)



明らかにロゼッタを見たロイドは、それに対して“痛い子”なんだなぁーって思いながらも軽く引いてから城へと戻っていく。



「………絶対に、誤解されたよね!?さ、最悪……どうせ、“痛い子”って思われたんだろうけどっ!」



ロゼッタは軽く涙目になりながらも、城の門の警備隊に通行証を見せてから書類に“父親の忘れ物を届けに”と書いてから城の中へと一人で入っていく。


少し進んだ所で、沢山の荷物を卸している朱色の髪色でウルフカットにして切れ長なツリ目をした青色の瞳をしており、作業服のような服装を緩く着ている背の高い男性を見つける。



「お父さん!」


「ん??この声は、ロゼ??珍しいね、ロゼが此処に来るなんて」


「お母さんが、お父さんの忘れ物を届けろって言うから!はい、これ」


「あー!ごめんごめんっ」



ロゼッタは父親に預かっていた荷物を手渡すと、父親は中身を確認すると安心した表情をしていた。



「ありがとうね、ロゼ」


「買い食いできたから、別に大丈夫だよ!」


「あ、買い食いのため……そうだよね、うん」


「それしか、ないの当たり前でしょ??」


「あ、うん」



ロゼッタの言葉に何となくわかっていた父親は、何とも言えない表情をしては苦笑いを浮かべていた。



「あぁ、納品ありがとうございます」



ロゼッタの父親に声を掛けてきたのは、ワインレッド色の髪色をしたショートで切れ長なキツめのツリ目をした赤色の瞳をして、黒色のマフラーを首に緩く巻いて赤色の軍服っぽさのある剣士のような服をキッチリと着ている背の高い男性である。



「あー、“シュヴァート”さん!」


「???」









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