イブの夜 2023/12/24

 僕は今、サンタみたいにプレゼント配っていた。

 サンタじゃなくて、僕がプレゼントを配っているのには理由がある。


 今朝怪我をしているサンタクロースを助けた。

 その時に頼まれたんだ。

 自分は怪我で動けないから、僕に代わりに配ってほしいって。


 最初は無理だって断った。

 小学生に頼むことじゃないって。

 だけど、サンタクロースが使う魔法の道具を使っていいって言われて、好奇心でOKしてしまった。

 大変だったけど、道具を使ってなんとか配ことができた。


 配り終えたことをサンタに報告すると、頭を撫でながら褒めてくれた。

 そしてサンタは僕の分だと言って、プレゼントを一つくれた。

 そういえば、自分の分を忘れていた。


 自分の部屋に戻ってから開けよう。

 そう思ってたんだけど、部屋に着いた途端、疲れていたからすぐ寝てしまった。 


 次の朝、起きてからすぐにプレゼントの事を思いだす。

 昨日プレゼントを置いた机の方を見ると、なぜかプレゼントが二つあった。


 サンタにもらった分と、それとは別のプレゼント。

 自分の分はもらったのに、なぜもう一つあるんだろう。


 もう一人、サンタがいるんだろうか。

 でもそれなら、僕じゃなくてその人に頼めばよかったのに…

 ずっと考えても、理由は分からなかった。


 不思議なこともあるもんだ。

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