BOND (PART II)

窓を叩いた重低音は

人の波に紛れ

微風と戯れるように

無言のまま歩いた


何度も出会ったはずなのに

すれ違うばかりの僕らは

「産まれよ」と願う歌さえ

「無いのか」と憂えた


消えるまで見届けた

あの重低音

手を伸ばしては掴み損ねて

歌えずにいた


窓を叩いた重低音は

夜の空に紛れ

月光に隠れるように

背を向けて離れた


何度も知ったはずなのに

忘れるばかりの僕らは

「産まれよ」と祈る歌へ

「あるはず」と嘆いた


僕らの耳に届いた

あの重低音

聞こえる日を願い続けて

忘れずにいた


とうに消えたあの重低音は

僕らの身体に響き

消えた言葉を語り継いで

僕らに教えた

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