第30話 技名はいいから叫べ

 前回と前々回のあらすじ!


 一ノ瀬アリスにはまさかのなろう展開疑惑が上がり、俺には影魔術とかいうワケ分からん魔術の適正が判明した。


 陰キャだからか? 陰キャだから陰と影をかけて影魔術なのか? 

 おい責任者出せ。そんな意味不明な理由で適正とか大事なこと決めんなや! ぶっ飛ばすぞ!!


『闇魔術とかじゃなくて敢えて影魔術ってとこがマスターっぽいですよね。ウケる』


『勇者なのにマイナー魔術しか使えないマスター、ざーこ♡ざーこ♡』


「ぐぬぬぬぬ」


 なんたる屈辱。勇者とは一体なんなのか、もう少し待遇を良くしても良いと思うんですがそれは。

 ていうかお前らは仮にも俺のことをマスターと呼ぶんだから、もうちょっと崇め奉れよ。


「そ、そもそもそんな適正どこに書いてあるのさ。ステータスには書いてなかった気がするけど?」


 一縷の望みを賭けて問い質す。陰キャだから影魔術なんぞマジで認めんからな。

 冗談はさておき、いや全然冗談じゃないけど。実際、前回見たステータスにそんな記載はなかったはずだ。


『あー確か別枠ですね。ステータスを開いた状態でスキルと言えば出てくるはずです』


「えぇ~ほんとでござるかぁ?」


『まぁまぁ。話が進まないんでさっさとやってくださいよ』


「はいはいステータスオープン。そしてスキル」


 その言葉を起動音キーに前回と同じく俺の各種情報が記載された半透明のスクリーンが目の前に飛び出した。

 そしてその更に上に新たなスクリーンが出現した。


【スキル】


 影魔術

 影刃シャドーエッジLv1


 特性:SP及びMPどちらでも利用可能。


 糞がぁ。

 本当に影魔術としっかりと明記されてやがる。おかしいな勇者だからエターナルフォースブリザード的なものが使えると思っていたのに。相手は死ぬやつ。


「このLvっていうのはどういう意味かしら?」


『それはスキル自体のレベルですね。特殊な例を除けば使えば使い込むほど上昇していきます』


 アリスの問いに聖剣ちゃんが答えた。

 なるほど熟練度タイプか。FG〇みたいに大量の素材と金を要求されないだけまだ良心的なシステムだな。


「聖剣ちゃん、これってどうやって使うの?」


『あー対称の魔術を出来るだけ明確にイメージして、魔術名を叫んで下さい』


 叫ぶ必要はあるか?

 しかし魔術のイメージね。ろくに見たことすらないが、やるだけやってみるか。

 影、影、影。影と言えば黒、漆黒だ。そして影刃シャドーエッジだから漆黒の刃ってところか。

 俺はそのイメージが薄れないうちにスキル名を力強く叫んだ。


影刃シャドーエッジ!」


 そしてその言葉を起動音キーに漆黒の刃が出現し、そのまま眼前の空間を横に一閃した。


「わぁお」


 その威力たるや凄まじいもので射程上に存在した樹木の一つ根元から一刀両断した。樹木はそのまま物理法則に従い、ズシンと大きな音を立てて地面に倒れた。


「恐ろしいわね……」


『ぶー魔剣ちゃんのほうがもっと凄いし~』


 魔剣ちゃんの発言はさておき使えるなこれ。

 俺のレベルが高いからこそこの威力なんだろうが、ともかく攻撃手段が増えたことはこの上なく大きいことだ。

 しかもこれで大してSPを消費していない。ステータスを確認してみるとSPは10程度しか消費されていなかった。多分この魔術自体が初期技というのもあるんだろうけど。


 更にはMPでも発動するのだから使い勝手の良さはこの上なく高いと言っていいだろう。


「ま、こんなところか」


 その後、複数回発動し使用感を確かめてみたが問題なくスキルは動作した。そんなところで俺の魔術は一旦置いておくとして本題だ。


『さてさて諸々の話は一度置き、とにもかくにもアリスちゃんのレベル上げをしましょう!』


 聖剣ちゃんが仕切っているのはなんか納得いかないが。

 ここからは一ノ瀬アリスのターン。なろう特有のチートざまぁ展開の始まりだ!!(多分)










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