第13話―僥倖型―
揺るぎないスペシャリスト。
生まれながらにして特異な異能があった。
(欲しくはなかった。
それが大切な家族を悲しませる大元にある呪いを)
フィクショナルは判明している内容。
生まれつきや後から目覚めさせるといった個人差があるのを後で知った。
私のは『
世間的では僥倖型は世界で一人しかいない所持者。
「それじゃあ。お仕事に行ってきます……母さん、父さん」
あまりここを長居は出来ない。
いつ狙われるか分からない。
「ええ……でも。
いくら政府からの務めでも無理だけは絶対にしないでね
もし苦しくなったり怪我をしたらすぐに仕事なんて辞めるんだよ」
母さんはわざわざ玄関まで見送りるために仕事のスケジュールを合わせている。
いつもこの対応に小さな笑みを零すけど、それがみるのがなんとなく心苦しい……ううん嘘だ。
私の
「そうだぞミオ!なんだってオレェは嫌になって
仕事を逃げてたからなあ。
我が妻のヒモになっているから敵前逃亡しても恥ずかしくないぞ。
オレェと仲間になって我が妻に
私に心配させぬよう父さんはワザとらしく大笑い。
両手を腰に添えて仰け反るというアクションしていると、その我が妻から盛大に頭を叩かれてツッコミを受ける。
「美桜ならともかく、どうしてアンタなんかに施しを与えてやるか!
いい
私が専業主婦になる」
「おいおい強く叩くなよ。
カツラが落ちるだろうがまったく……」
漫才を繰り広げても私は笑えない。
母さんと父さんは能面な娘が仏頂面であろうが、
そんなこと両人は気にせず変わらずいつも明るく振る舞う。
私だけのために……二人に報いる顔を私は見せようとするが上手く出来る自信がない。
特異性のある異能。
どんな事でも出来てしまう私の異能には大きな代償を払ってしまい感情を失い、演技をしようにも俳優や声優のような感情を知らないと
細部までの反応は返せない。
「そろそろ行くね。一刻を争うから」
やらなければならない任務が転がり込んできた。
こうして話をする時間はない。
「気をつけてね美桜」
「嫌になればニートになればいい。
いつでも帰ってこい。そして帰ったらマシュー・ペリーを朝まで語り合おうぞ」
「うるさいわね。このペリーマニアがァ」
「ギャウッ!」
私は壊さないようドアを開けると父さんは母さんに手を打ち込まれて悲鳴をあげている。
そんな二人に微笑みを作ってみたが瞠目させてしまった両親、されど娘に優しい二人はすぐに笑みを取り繕って手を振る。
自然な笑みを作れなかったことに失敗したとショックを受けず次に活かそうと手を振り返す。
「まだ演技が至らなかったかな。
頭を切り替えよう、現場の前に味方と合流ポイントまで走っていかないと。
求めているのは、いつも危険な現場ばかり任務で送ってくる。
その求めている声を無下にはできず。
ちょうど愚痴を一つのストレス抱えない私には苦もなきと心に呟いてパワーをセーブして走っていく。
「来る頃だと思いましたよ。
今から戦地へ赴くのですか姉さん」
「……
待ち伏せていたのか。
視界の横から影が移る。気配はなかったのは殺気がなかったから。
走っていき足を止めたのは弟のように懐いてくれる高校生なったばかりの青年。
「まさか、引き留めるためにではありませんよ。
僕を……いえ俺も同伴させてもらえませんか!」
「同伴か。これは遊びじゃない。
戦地に兵士でもないのに連れてはいけない」
「断れること十分に承知しています。
力不足かもしれません。
お言葉ですがその逆ですよ姉さん、俺の雷轟電撃でなら役不足とさえ思ってくれるはずです」
「僥倖型って知っている?」
「……はい?それは、どういう意図で。
そんなの知っていますよ。もちろんです。
僥倖型は世界で一人しか持たない唯一の異能。
そこから偶然に得られた幸せの意味である僥倖が
由来されているのですよね。
しかし僥倖型はノーマルな異能に上なんてデータに過ぎません」
彼は物怖じせず素直に応える。
私であっても遅れを取らないと高次元なエネルギーに依存して驕ってはいないと神妙な表情で戦力としての価値を示そうとする。
私であっても……。
「そう、だね。僥倖型には多種に多彩と分かれているから強いか弱いなんてのは測れない。
でもね脩造。それでも覚悟を持たない貴方は連れていけない理由は、そこにあるのよ」
「どういう事、なのですかッ!?
言葉にしてくださいよ」
「ごめんね。もう話す時間はないから」
言葉を探して納得に割ることは、付き合えない。
それでおとなしく引かないだろう。
同行しようとする彼を飛び越えて一軒家の屋根上に着地。そのまま先へと進もうとする。
「くっ、なら勝手に行きますよ。
追いついてやります〖
五感から近づいていくのを知る。
隣に並び立ってみせると殺戮が繰り返している現場をこのまま随伴せんとする。
(是が非でも追いつこうと……いうの!?)
「くっ、スピードを上げても目や頭が置いてけぼりされそうだ」
「なんて無謀な行為をやっているの!
いい脩造、その雷轟電撃は特質するべき最高の十段から七弾の高いにある
「プロになるなら!
五段目までの異能をこうやって技量を上げることを強さの証明、でしたら!
うおぉぉぉーーーーァァァッ!!」
離れず必死にしがみつくような彼は体を纏っている自らの雷を帯びる。
その速度を指数関数的に上げていく。
私の異能は発動というスイッチはなくデメリットは被ることなく。
彼の身体は無から有に生み出している紫電に浴びる度に負担も大きくなる。
髪や目の色が変色していく……紺色だった色が黄色にと変わっていく。
異能をより高めるものだけが最大効果を発揮したりすると姿形を変異する。
「脩造よく聞いて。
これは対人戦となれば階級とかは関係は無いの。
どちらが先を読んで先読みかで決まる。
有り体にいうなら弱いと断定する」
「弱い……僕が。
僕が僥倖型では無いからですかァァァーーッ」
やにわに下した言葉が心に来たのか。
彼は自らを超越した帯びた光を失っていき、解除。
安堵して公平にテロを鎮圧するのに人材としての要素を一様にして判断した。
追うとしないなら速度を緩める。
「まだ学生なのだから急ぐ必要なんてない。
まだ自らの膨大なチカラに
それと……僥倖型なんて僥倖じゃないんだよ」
その小さな独白は宵闇の中に呑まれて消えていく。
「追いつかない、置いていかれるのか。
うわああぁぁぁーーーッ!?」
――教室。
俺は五穀舞を乗り移ってから変化があった。
通学路への道のりは退屈ものは変わりなくて教室に入っても関わる何もかもは変化は無い。
ただ耐えれていた誹謗は心に突き刺さる。
それと席に着いた俺がやることは寝たフリすることか少しのエロい漫画をスマホで読むことだった。
「お、おい。見ろよアイツ、カッコつけてか一丁前にノートを開いて勉強しているぞ」
「ギャッハハ!成績は最下位のクセに。
なんの風の吹き回しなんだアレはよ!」
「ホントー、頭の悪い奴は無駄なんだよ。
それが摂理ってヤツ?いくら勉強しても生まれもった才能で決まるっていうのによ。
やっぱ
好きに言ってろ。
頭が悪いから勉強しても無駄なんて理論こそが努力をしない奴の納得させる言葉を知りやがれ。
(ああ、そうさ。
努力もしないし、リアルの女性を見て興奮したクソな人間だよ。
でもそれを変えたいから。勉強するんだ)
だいたい生まれ持った才能なんてどうやって確認するんだ。
そんなの学者や医者でも一目でそれを天才か凡才なんて判別することなんて不可能だし。
それを見る機材なんてもない、
あるなら、もう才能を分かると世間やユーチュバーかテレビのメディアが黙っているはずがなく騒いでいる。
(スポーツ出来ないならスポーツしないのか?
ゲームが下手ならゲームしても意味は無いのか?
人生の生き方……世渡りが出来ないなら生きる価値はないのか。
違うだろ!俺は成長して五穀舞のように……は、
なれなくとも少しでも立派……その一歩や二歩の
前でも近づきたいんだ)
躍起になっている。
俺がこうやって気概を燃やしているのは異能をもたらした影響を及んだのだろう。
(まだ五穀舞だった思考や感情が残滓としてある)
欠伸をしたくないが怪しまれないよう自然に。
眠たそうに瞼を
(楽しそうにルナや他の友達と話をしているけど。
もし友達と話そうとしないなら五穀舞も
朝のホームルームは勉強していたのかな)
この素朴な疑問を尋ねること勇気はない。
それに声を掛ける資格は俺があるはずが無い。
だって俺は彼女をいかがわしい目的だけで身体を乗り移させる異能を使用したのだから。
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