第10話 みんな見たいでしょ?アニメの冒険者ギルド!

いい子だったなぁ。

ここアニメの世界だし、最初に仲良くなった人が重要人物じゃないわけないよねっっ!ってことはまた会えるわけだ。やったね!え?ラスボスとかじゃないよね。大丈夫だよね…あんまりフラグ立てないどこ。

メタい話は気をつけるって言ったけど…我慢できないよ。


さぁて。学園が始まるまでまだ時間があるし…どこに行こうか…って言ってもどこに何があるかが分からないから困ってるんだよね。まぁ都合よくどこか面白いところに着くでしょう。







「本当についた…。冒険者ギルドだ……」


冒険者ギルドってあれ?薬草を採取したり、人間を襲うモンスターとかを倒すために戦ったり、宝を探して冒険したりする専門家が集まるっていうギルド?めっちゃワクワクするじゃん!視聴者も求めてるはず。近くで見てみよう。


ソレナは看板に夢中だった。上を見上げて歩いていたので、横から歩いてきている人に気づかなかった。


「ドン」


最悪である。めちゃくちゃ怖そうなゴリマッチョツルツル頭だ。しかも顔が険しい。


「どこ見て歩いてんだゴラァ」

「ひぃ!!ごめんなさい!前見て歩きますっ。ってか横から来てたから横見て歩かないといけなかったのか」

「前見て歩いてもどっちにしろぶつかってたみたいな言い方するなよ。俺が悪者みたいだろ。ぶん殴るぞ!」



え?違うの?明らかに最初に登場する悪役のモブみたいな見た目してるけど…っていうか私アニメの主人公なんだよね。こんなモブに負けるはずないよね!っていうか主人公に向かって殴るとか生意気じゃない?


ソレナはものすごい速度で心境が変化していた。


「この私、主人公様を殴れると思ってるの?私を殴ったら視聴者が悲しんじゃうよ?殴れるもんなら殴ってみなっ!ベロベロべ〜」


「ドン」


「カハッ」


それはそれは腹に思い切り拳がめり込んだ。流石に本気で殴られたわけではないと思うが、少女にとっては十分悶絶するに値する激痛であった。


え?え?なんで殴られたの?この作品主人公殴られて可哀想って炎上しないの?うそ、もしかしてこのアニメの作者、可愛い女の子が苦しんでる姿を見て興奮するタイプの人!?


だとしたら私…この先地獄のような人生になるじゃん…終わった…もう…終わった…





「そこの男!やめないか!街の治安は自称騎士である私が守る!」


そこに現れたのは、騎士のような身なりをした青髪の女性であった。いや、年齢的には少女というべきだろうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

主人公の私は世界最強!!〜自分は主人公だと気づいたので無双したいと思います!〜 @simassima

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ