第9話 ちょっと待って?私を炎上させる気!?
負けたのは主人公…ではなく、じゃんけんをした相手である。
嘘!?全戦全勝しちゃった!?
相手の少女は瞳に涙を浮かべていた。
え?少女同士なのにそんなに私の服を脱がしたかったの?なんか申し訳ないなぁ。
と思っていたのも束の間。
少女は服を脱ぎ始めた。
「え?え?貴女は服を脱がなくていいんだよ!脱ぐのは私だけだから!」
「え?そうなんですか?私だけ罰ゲームがないのは卑怯なんじゃ…」
私はその少女の体を隠した。主に、アニメで放送されそうな角度から隠した。
いや律儀すぎでしょ!!どんだけいいやつなんだよ!っていうか何故じゃんけんに参加した!?私を脱がせたかったの?
「大丈夫だから服を着て」と説得し、無事放送禁止を免れた。ただし美少女に服を脱がせたという事で私の株が下がったような気もせんでもない。それは申し訳ない。体を張るのは私だけのつもりだったけど巻き込んでしまった。
とりあえず自己紹介でもして、仲直り?をするか。
私の名前は確か…ソレナ・フォン・マージデ…っておい!誰だよ名前つけたやつっ!前世とほとんど変わらないじゃん!!なんで私の親はそんなにキラキラネームつけたがるの?絶対、マジでソレナ!っとか言われる名前じゃん!最悪……
「私の名前はソレナ・フォン・マージデ。迷惑かけてごめんね」
「いい名前ですね!迷惑だなんて思ってませんよ!名前に『フォン』があるってことは貴族なんですね!じゃんけん強くてかっこよかったです!」
え?めちゃくちゃいい子じゃん!知ってたけど。それにこんな名前を褒めてくれた。涙出そう。
「私の名前はペクトです。ただの平民なので学園に行っても成績を維持できるように勉強中です!」
なんて努力家なんだ。私こういう子尊敬しちゃうよ。
「私、今この街に来たばかりでさ、案内してくれない?」
「案内したいのは山々なんですが、今塾に向かってる途中なんですよね…すみません。また今度案内させてください!」
異世界に塾とかあるんだ。結構勉強で忙しいんだな。私あんまり勉強できないけど大丈夫かな…。流石に私もちょっと勉強しとくか。いや絶対しないけど
「そうか、わかったよ。勉強がんばってね!また会える事を祈ってるよ」
「また会いたいのは私の方です!」
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