第5話 3つしか質問させてくれない作者ケチだな
「製作者さん、主人公最強系は好きですか?」
「好きだ。でもお前、やらかしたな。このアニメは主人公最強ですか?と聞いた方が確実だったんじゃないか?主人公最強系が好きだけど、胸糞系アニメを作るかもしれないだろ?」
「う、今のなし!ノーカン!ノーカンだから!もう1回質問させて!」
「教えましぇ〜んベロベロバァああ」
「クソやろぉおお!!」
しまった。よく考えてから質問するんだった。だがこんな馬鹿そうな作者なのだからハッピーエンド以外の作り方とか知らないだろう。大丈夫だ。希望を持とう。
次はなんの質問をするか…私の身分はなんですか?とか、私はどんな魔法が使えますか?とか…いやいや、ちょっと違うか。そうだ!何話ぐらいまで用意されてますか?って聞こう。もし3話ぐらいしか出てなかったら私の人生そんだけってことになっちゃうもんね。もし途中で終わっちゃったらどうなるんだろう。時がずっと止まるのかな。
「そのアニメは何話ぐらいまでストックがありますか?」
「ストック?馬鹿か!俺がそんなに用意がいいわけないだろ!今から作るんだよ!!」
「は?ストック0??ってことは作者の気分次第で私の人生終わっちゃうの?ねぇ!!作者はモチベーションあるんだよね?途中で終わったりしないよね!絶対に私が寿命で死ぬまで作り続けてよ?」
「それはお前次第だな。お前が面白い行動を取れたなら長く続くかもしれないな。なんならどっかのアニメのように永遠の5歳ということもあり得るだろう」
くそ!なんでこんなやつに作られないといけないんだ!もっと他のまともな人に作ってもらいたいよっ!
あれ…今から私ってこの人に作られるわけだよな。ってことは私は死んで、この人の思い描いた私がアニメの世界に行くのでは…ということは私は死ぬ?もしくは自我がなくなる…いやだ!そんなことは絶対にない!ないよね?
「転生した後の私は自分の意思で生きてるちゃんとした今の私ですか?私のしたい行動ができるんですか?」
「あぁ、転生するのは今のお前だ。アニメの中の物語の半分はお前の意思で決まる。自由に選択するがいい。たまに運命的に決められた出来事もあるがな」
よかった。私はアニメの世界でも自分として生きてい行くことができるんだ!それなら安心だ。自称アニメのプロ、私なら物語をどんどん面白い方に持っていけるぞ!
でも質問はこれで終わりかぁ。あれ、一つ気になったことがある。アニメって私の一部始終を、つまり24時間365日ライブみたいな感じで放送されるのかな…だとしたら私ってずっと監視されてる状態?うそ!私の時間ないじゃん!!
「あの…どうしても気になることがあって…最後に1つだけ質問させてくれませんか?」
「でも3っつって言っちゃったしなぁ。仕方がない。何か面白いことを言って私を笑わせることができれば答えてやろう」
なんだよそれ!設定ガバガバだな!大丈夫かこの作者!
面白いことかぁ。うーんなかなか思いつかないな。いや、嘘だ。本当は思いついてるけどこれだけは言いたくないんだ。でもこの質問には私のこれからの人生がかかってる。絶対に笑わせないとっ!!
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