第3話 やっぱりアニメの世界はあるんじゃん!

私、名前を馬鹿にされてて生きるのが嫌だったんだよね。だからちょうどいいよ。本間真鹿(ほんままじか)って名前だと友達に、「こいつの名前、本間真鹿っていうらしいぞ」「いやホンマ?マジか!www」って馬鹿にしてくるし、面接の時も自己紹介したら…「こういう時なんて言うかわかりますか?マジかぁ、ですよね」って言われるし!もう嫌だった!こんな人生終わらせてやる!


真鹿はそんな言い訳をしていたが、18歳になると改名ができるのである。つまり明日改名ができた。待ち望んでいたその日が来た。なのにこんな状況じゃあ、もうそんな未来は来ない。


「なんでこんなことしたんだろう。こんなことになるんだったら異世界に行こうだなんて思わなければよかったな…」


これが私の最後の言葉だった。




いや、正確には、『こっちの世界では最後の言葉だった』と言うべきだろうか。


「え?どこ、ここ!!転生した!?いや体が大きいからまだか。と言うことは神様に会う的なイベント!?本当にあったんだ!私、異世界に行けるんだ!!」


小声で「やったぁぁぁ…」と呟き質素な白い床に寝そべった。


て言うかここ何!硬そうな床なのに寝そべっても心地がいい!どんな素材なんだこれは!いやそもそも素材とかじゃなくて架空の物質なのか。そろそろ神様的な人が現れてもいい頃だと思うんだけど。


少しずつ黒い影が迫ってきて、それがやがて人の影であることが確認できた。


「やっぱり来た!神様ですよね!………ってなんか顔が微妙ですね……」

「失礼だな、普通だろ普通」

「いや神様なのに普通なのがおかしいんじゃないですか!」

「無理言うなよ一般人なんだから」

「一般人?どうしてこんなところに一般人がいるんですか?」


私は考えた。

「もしかしてあれですか?死後の世界みたいな感じで一般人がその辺をうろうろしてる世界なのですか?そんなの嫌だ!私は異世界に行きたいんだ!」


「異世界には連れて行ってやる!」

「へ?一般人なんじゃないの?」

「だがただの一般人とは違う」

「それ一般人じゃなくない?」


この人は一般人じゃないのか?だとしたら凄い人って線もまだ捨てれない!神様ではない神様みたいな何かかもしれない。私は期待することしかできなかった。


「じゃあ一体誰なんですか?」

「私はアニメの制作者だ」

「へ?へ?」

「その、へ?って言うのやめないか?」


「あの、私、アニメ制作者のファンなんです!いやこんなところで言うセリフじゃないと思いますけど!って言うか制作会社どこですか?」

「〇〇〇〇〇〇〇〇〇だ」

「えー!?結構大手じゃないですか!いいですね!で、なんでここにいるんですか?」



「お前を転生させるためだ。お前は今からアニメの世界に転生してもらう!そこで存分に視聴者数を稼いでこい!これは使命だ。もしできなければアニメは打ち切りになり、世界が終わってしまうかもしれない」

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