第18話

(無言で謝罪だけでは許してくれないみたいでしたが許してはいただけたんですね?)

しばらく気恥ずかしさから目を逸らしたのちリアーナさんは大きく一息つくと手を二回叩くのだ。

その行動に対してメイド達は一斉に私達の元にやってきたのですが……これは一体どういうことでしょうかね……? 私が聞き間違えていなければ各部屋の掃除をやると言っていた気がします。

するとカイルさんは違う行動をとりだした。

「お姉さんとお話ししながら此処で待たせてもらうのでやるなら二人が行動し始めた時間で良いです」

というようなことを言っていたと思う。

(彼もこちらに気を遣えるようになったってことですかね?)

その後一先ず部屋に通してもらったのだが、完全に力を抜くのは体面が悪いと思ったのか部屋の中を色々と整理や調整をしているリアーナさん。

(彼女にしてみれば私にとって大きな問題かもしれないですからね)

そう思った私は率直な感想を口にした。

「そうですか?」

まあ何を言っているんだと思われるのも仕方がないでしょうねと思いながら私が返答を待っていると彼女は静かに呟きました。

「領家の令嬢にとっては結婚を考える年齢になってきたときに貴方という存在が突然現れたのですよ……それも冒険者でもなかった男性が」

そう言いながら私の方を向き答えるのです。

「それがあんなにも熱の入った仲良い姿を見せつけられたのです……悪い方に考えても仕方のないことだと思いますが?」

と両ひざで握っていたこぶしをプルプルと振るわせている彼女の姿を見ているうちに自然と笑みが浮かんでしまいますね、なんとなく可愛らしく見えます。

そして現在に至るのです。

一応このあたりのことも探ろうとしていたのですが本当に私のことを純粋に思っているような感じに取れましたね。

(まあ、私のような男性なんてこの世界ではほとんど見かけないですしそういうものでしょうな)

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