第18話
(無言で謝罪だけでは許してくれないみたいでしたが許してはいただけたんですね?)
しばらく気恥ずかしさから目を逸らしたのちリアーナさんは大きく一息つくと手を二回叩くのだ。
その行動に対してメイド達は一斉に私達の元にやってきたのですが……これは一体どういうことでしょうかね……? 私が聞き間違えていなければ各部屋の掃除をやると言っていた気がします。
するとカイルさんは違う行動をとりだした。
「お姉さんとお話ししながら此処で待たせてもらうのでやるなら二人が行動し始めた時間で良いです」
というようなことを言っていたと思う。
(彼もこちらに気を遣えるようになったってことですかね?)
その後一先ず部屋に通してもらったのだが、完全に力を抜くのは体面が悪いと思ったのか部屋の中を色々と整理や調整をしているリアーナさん。
(彼女にしてみれば私にとって大きな問題かもしれないですからね)
そう思った私は率直な感想を口にした。
「そうですか?」
まあ何を言っているんだと思われるのも仕方がないでしょうねと思いながら私が返答を待っていると彼女は静かに呟きました。
「領家の令嬢にとっては結婚を考える年齢になってきたときに貴方という存在が突然現れたのですよ……それも冒険者でもなかった男性が」
そう言いながら私の方を向き答えるのです。
「それがあんなにも熱の入った仲良い姿を見せつけられたのです……悪い方に考えても仕方のないことだと思いますが?」
と両ひざで握っていたこぶしをプルプルと振るわせている彼女の姿を見ているうちに自然と笑みが浮かんでしまいますね、なんとなく可愛らしく見えます。
そして現在に至るのです。
一応このあたりのことも探ろうとしていたのですが本当に私のことを純粋に思っているような感じに取れましたね。
(まあ、私のような男性なんてこの世界ではほとんど見かけないですしそういうものでしょうな)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます