第33話 ロボットには私怨で乗る

 ロボットを主題にする決定、キャラクターの創出はおよそ。あとはストーリーですね。最も大切なところがまだ。


 敵役もだいたいイメージがわき、どう戦わせるかは。

 以前ならここらで見切り発車です。それくらいの材料はそろいました。でも始めません。この程度ならこれまでの作品と同じ。今回は可能な限り高い頂を目指します。

 10年の折り返し地点、どうにかしてこの5年を総括するような作品に。


 なので今はまだアイデア出しの時間。どうせ途中でネタ切れになるんですから、アイデアは余るくらいがいい。

 なんなら使いきれないまま終わった方がいい。たくさんアイデアが出たなら、面白い方から使っていく。そんなぜいたくができるかもしれないんです。

 ここは時間を使ってもいい。焦って書き始める必要はない。


 これまで無人機のつもりでやってきましたが、どうにも人間の搭乗が必要になったようです。

 衣食住問題があるので自律稼働する超ロボット生命体で行こうとして、でもやっぱり血が通ってないと感じていて。

 いえ、司令官がフオオオッって言いながら坂道をころげるOPの作品を悪くいうのではありません。おれごんの腕前では描けないと、力不足を恥じているのです。できないのなら、やれることをやろうと。それで人間を乗せようと。


 じゃあどうやって搭乗に至るのかに思い悩んでいて。その突破口をやっと見出したところです。それで今日のエッセイを書こうと。


 ガンダムの第一話はすごいですよ。ジオン星人が宇宙コロニーに攻めこんできて、幼なじみの家族を含むたくさんの人を殺されて、その報復としてガンダムに乗り敵を倒す。それはただの一時しのぎ、すぐに次の攻撃がくる、というところまで。

 ワンピースの第一話を彷彿とさせます。描かなければならない要素がすべて詰まっている。いえ、どちらが先駆者かは言わずもがなですが。


 アムロの出撃はこれ以上好きにさせないとか、狼藉を止めるとかそんな綺麗事ではないですよね。彼は明確に仇を討ちにいっている。背中を見せた敵機動兵器に対してしっかりと追い討ちを。

 戦争は綺麗事じゃないんですよ。ロボットプロレスでなければ巨大人型兵器を用いるのは戦争でしかない。ガンダムはそれをきちんと描いたんです。引き金はしっかりと殺意を抱いて。


 どうしても世界平和を目指してでは書けませんでした。自衛官が国防の意識高くでは描けなくて。勇者シリーズを目指して、頓挫しました。それに一応第2作で書いたつもりでしてね、不殺で葛藤する路線はもういいかなと。


 現実世界では宗教的対立、過去の遺恨、侵略欲から戦争は起こります。だったらそれに則して、おれごんならどう描くかを。

 ゆえに新作は復讐劇になります。兵器を手にするのは恨みゆえ。

 どうまとめるかは白紙です。そこをどう決着させるかが決まれば本格的に書き始められるのかな、と。


 ガンダムの第一話は、冒頭ザクのげポーンとか、ガンダムが立ち上がってビカッてところが注目されがちですが。

 おれごんの一押しは、アムロが涙ぐみながらガンダムに向けて走る姿です。あの目力。何度観ても目頭にグッときます。共感って大事。毎回「行けっ!」「走れッ!」て思いますもん。

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