第34話 2024年はひどい年

 なんだか混迷期到来って感じですよね。大戦が遠い過去へ、各国首脳は自国の備える暴力に絶大なる信頼があって。人死にが生じずとも、小競り合いがそこかしこで。

 もはや武器の輸出は普通に行われて。人道支援の人殺し兵器の輸出って、なに? 専守防衛って?

 互いが主張する領海侵犯。海賊行為。くり返されるミサイル発射実験。空爆、誤爆、報復攻撃。サイバー攻撃も。


 その間にも新たな疫病が蹂躙し、災害だって待ったなし。

 今年の始めに起きた地震ですよ。お盆よりも年の暮れの方が帰りやすい、帰省してきた子どもや孫を巻き込んでの大災害。


 いくらなんでもひどいじゃないですか神様。1月1日て。さすがに1月1日はないです。誰しもが大切にしている、いつもは会えない人に会えるような日じゃないですか。

 試練を与えるにしてもやりようはありますよ。クリスマスプレゼントにピンをぬいた手榴弾をくれてやる所業です。


 生きるってほんと、苦痛ですよね。基本救いはない。

 神も仏もあるものかと。

 あれらは希求なんですよね、これ以上ひどくならないでほしい、今より安楽になってほしいとの願い。宣誓。願かけ。超常に対する意思表明。


 鼓動が止まるまでの間はずっと衣食住の心配をしながら収入を得続け、少しの余裕で息をぬく。それを延々と続けるだけ。生きぬくってことは戦いですよ。


 ばーっと儲かってドーンと寄付でもしたいですよね。100億ドル儲けたら99.99億ドルを使って、飢えて死ぬはずだった才能へ安全な水を。薬を。教育を。

 なんなら最初は資源のある国に限定してもいいですよ。基金を作り、きちんと儲けも出して躯体を維持しながら支援の手を延々さしのべ続ける。


 そんな奇跡は起きないので、日かげでひっそりとしています。

 赤ちゃんをずっとお世話していたい。それが難しいなら、ずっとペットと戯れていたい。

 おれごんの老後ってたぶん、そんな感じになろうかと思います。小さなしあわせを守るくらいが分相応なのであろうと思います。

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