第32話 「さあ! 合体だ!!!!!!!」
ようやくトレインボット が全部そろいましてね。トレインボットとはトランスフォーマーの合体戦士ライデンのこと。6両もの電車が合体して巨大ロボになるんですが、これの発売をたいそう心待ちにしておったのですよ。
ネットでさかのぼると第一報は2019年の12月でした。今や遠い昔ですよ。
そして第1弾の発売はいまから1年半前。コツコツと買い集めてようやく、先月になってやっと全6機がそろいました。ついに。念願の。
なんなら交通事故で入院中の小おれごんが『てれびくん』の懸賞のページでみた、40年近くの時を超えて。
「さあ! 合体だ!!!!!!!」
その前にまずは探索から。
この1年半の間に2回もの収蔵品の総ざらいを終え、その間に6機の合体戦士は散逸しました。いえ、今も家のどこかには眠っているのです。しかしながらどこに存在するかは不明。そのために生じた探索なのです。
一番新しい6番目の戦士はすぐに現れてくれました。それはそうです、つい先日発売されたばかりの商品が見つからなくなったのなら、それはもう魔境ですよ。おれごん家はどうにか魔窟くらいで済みました。
箱は長くて薄いですから、この系統は厄介です。意外とどんなところにももぐりこめます。本棚。DVD棚。家具と家具の間。心のスキマ。
そうやってドラゴンボールよろしく必死こいて集め、6機がついにそろって。
「さあ! 合体だ!!!!!!!!!!!!」
とはなりません。
心の合体ゲージが満タンにならないと。だって情熱も明日への希望もないままに合体しても得られるものはなにもない。
ピンチやチャンス、あるいは希求がなければ合体戦士にはなれないのです。
まずはパッケージを開けて、箱を分別して処分。各機体をそれぞれ合体形態に変形させてからの接合。2〜3時間はかかるでしょうか。
ひとつずつコツコツ進めておけばよかったのです。でも発売順が悪かった。
まず胸。次に手足、最後に肝心かなめの腰。最後の一体が発売されるまでバラバラで保管するしかなかった。だから開封もせず放置を。ゆえの一時的な紛失。
足、腰、胸、腕の順、つまり下から発売してくれていたならこんな事態には。
いえ、ぜんぶおれごんが悪いんですけども。近日中に小学生のころのおれごんをつかまえて、合体させようと思います。
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