秘められたこと

あれから少し過保護だけど概ね変わらずに穏やかに過ごすことができ、少し前に3人から5人家族が増えた。

あの病院は通わなくなり、別の病院に変えた。

僕は弟たちがはしゃいでいるのを眺めたり勉強をしたりして、僕は怪我をしないように血を流さないように気をつけて生活をするようにしている。幸い弟たちは普通の血液で普通の生活を送ることができている、それがすごく嬉しくて、羨ましい。


あのときのことは話しちゃダメってなってなり弟たちも僕は体が弱くて怪我をすると大変になると教えただけ。もう誰も僕の血のことは話さないし、忘れようとしてる。

弟たちには真実を知らせていない。

知らない方がいい、何も気にせずに楽しく育ってほしい。




あれから何年か経って僕は1つだけ秘密ができた。

誰の血も合わないけど、それは外部からいきなり入れているからということがわかって、口から含むと僕の血になるからどの血でも大丈夫ということがわかった。

なんでこんなことがわかったか

それは友達が授業で怪我をした時に向かいに座ってた僕の顔に少し血が飛んだんだ。びっくりしたのとおしゃべりしてたから口を開いてた。入っちゃったから出さなきゃってと焦ったんだけど声をかけなきゃとも思ってその拍子に唾と一緒に飲んでしまった。

あの時は焦ったね、「死んじゃう」って思ったけど何も起きなかった。あの時僕の血を入れられて叫んでいた人のようには苦しむことになると思ってすごく怖くてどうしようとなって慌てたけど時間が経ってもなにもなかったんだ。

なんなら身体がちょっと軽かった。


まだ10代の子どもだったからね、ちょっとだけ好奇心に勝てなくて他人が怪我するとすぐに助けに行って血をちょっと自分の指につけたりしてそれを口に含んで飲み込んだ。

何回も何回も試した。

1回も苦しむことなくちょっと身体が軽くなり僕の秘密ができたんだよ。



それからどうなんだろうって思った。

両親や周りの人に知られたらまたあんなことになるかもしれないって思って誰にも言ってないし、これからも誰かに言うことは無い。



だって僕の他に同じ人はいないんだから




そう思っていたんだ。

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