第26話 姉妹はトークする



あの騒動から数日が経ち、私たちに向けられていた悪意などはもう感じられなくなっていた。

はじめに愛翠が標的にされて泣いていた時には、私がなんとかしなきゃって思ってたけど何もできなくて悔しくて仕方なかった。

先生も何も解決はしてくれなくて、愛翠だけではなくみんなが標的にされてもうどうしようもなくなったけどお兄さんに助けられちゃった。

お兄さんは困ってる時には必ず助けに来てくれていて、こんなに優しくしてくれるのはママ以外だとお兄さんだけかもしれない。

助けたことにはとても感謝している、けどねお兄さん、私の妹達との距離感がおかしく無いですかね?碧愛がおかしくなったのはもう慣れたけど、いや別に慣れていいわけじゃ無いんだけどね、愛翠との距離が近すぎると思うんだけど…。

すごく頼りになって今までのことはすごく感謝してますけど、妹達を絆すのは違うと思う、私の妹達は渡しませんからね。

後でまたお兄さんとオハナシしなきゃだね。

1人脳内会議をしていると、なにやらまた碧愛と愛翠が言い合いをし始めた。


「真白っちって優しいし、頼りになるよねー」

「ボクもそう思うなの。この前はかっこよかったなの」

「今更気づくなんて遅いんじゃないかしら?」

「碧愛もかっこいいとか思ってたのー?そうなんだー」

「別にそんなこと言ってないわよ!愛翠はそんなに真白くんの話をして好きなわけ?」

「んー、真白っちのこと好きになっちゃったかもねー。付き合っちゃおうかなー」

「な、なな、何言ってんのよ!そんなこと私が許さないんだから!絶対渡さないわよ!そもそも、真白くんと仲良いのは私だし!ふん!」

「わーこわーい、碧愛ちゃん渡さないとか言ってるー!碧愛ちゃん好きなのバレバレだよー。まあ、私だって渡すつもりないんだけどねー。って、紅ねえがすごい顔でこっち見てるんだけど…」

「トアも真白のことを好きだぞ!」

「ちょっと〜!お兄さんと事好きってどういうことよ!お姉ちゃんそんなの許さないからね!大体碧愛はなんでそんなキャラ変わってるのよ!昔はあんなにツンって感じだったのに今はただのポンコツキャラになってるわよ!それに愛翠と橙愛はなんでお兄さんのこと好きみたいになってるのよ!」


妹たちが訳のわからない話をしていたからついつい叫んでしまった。これは仕方ない、仕方ないのである。


「それより来週はクリスマスなの。ご飯楽しみなの」

「ママの作るケーキ思い出すぞ!」

「七面鳥焼いてたよねー。ツリーとか飾ってたし楽しかったなー」

「あの人達の家に連れて行かれてからクリスマスなんて特にないようなものだったからね…」

「クリスマス、プレゼント、サン、タ、クロース」

「ふん、きっと真白くんが何かやってくれるはずよ」

「なんで碧愛ちゃんは真白っちのことなんでも知ってますみたいに話すのかなー?」

「う、うるさいのよ!」



うん、お兄さんなら何かやってくれそう。

とにかく妹たちと楽しく過ごしていければいい、お兄さん、この子達が楽しそうに過ごせているのはあなたのおかげです。いつもありがとうお兄さん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る