第23話 なんとかするから



 最近、みんな暗い顔をしてると思っていたが、今日は夕飯の時間になっても部屋から誰も出てこなかったので呼びに行ったら何故か子供達が泣いていた。学校で何かあったのだろうか、俺はすぐさま橙愛と碧愛を呼びだした。


「碧愛、橙愛何があった?」

「な、なんでもないわ」

「なんでもないぞ…」

「なんでもないわけないだろ!2人は俺に話せないほど信用してない?」

「そんなことないぞ!」

「もういい、私が言うわよ。今学校でーーー」

「教えてくれてありがとう。学校に言っておくから、任せておいてくれ」


 2人に事情を聞いたあと、みんながリビングに降りてこなそうだったのでご飯を部屋に持って行って碧愛に渡し、ご飯を食べている間に学校へ電話をした。

 子供達が通う小学校は俺も姉さん達も通っていた学校でその時教頭先生をやっていた先生が今や校長先生になっているのだ。

 別に今すぐになんとかできるわけじゃないだろう、でも何か起こってから何も出来ないようでは遅いはずだから先生に話を通しておく。色々お世話になった先生だ、きっとどうにかなるはずだ。


 夕飯で使った皿を返しにきた碧愛と橙愛と今後について作戦会議。


「2人とも、碧愛がこれまで何をされた書き出しておいて欲しい。それから、使ってないスマホを渡すから何か言われたりしたらすぐに録音ね。あと、先生にもう一度相談して、その時も録音するように」

「多くて覚えられないぞ…」

「橙愛…。真白くん、私がやっておくわ」


 ひとまず今できることはこれだけだろう。

 いじめなんてしょうもないことをやるなんていくら小学生でも許せない。

 早くなんとかしてみんなを安心させてあげたい。




 □□□




 真白くんから色々言われて正直あまり覚えていないけど、まぁ頑張ってなんとかするしかない。

 えっと、とにかく録音?すればいいみたいだからとりあえず紅ねえには言わないほうがいいかしらね…。

 真白くんに迷惑かけられないとか言って黙っていようとしてたし。

 真白くんって普段はのほほんとしてるけど困って時すぐ気づいてくれるし、なんか安心感?みたいなのがあるしたまーにかっこよく見えるのよね。

 べ、別に普段からもカッコいいけど助けてくれる時はもっとカッコよくて大好きとか思ってないけどね??また、助けてくれそうで嬉しいとか思ってないんだからね?

 真白くんがきっとなんとかしてくれるはず、私はそれまで言われたように頑張ろうかしら。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る