第22話 つれづれな冬

 もう12月になった、外に出るとかなり寒く感じコートが手放せなくなっている。

 今日も今日とて学校に行く、冬休みはもうすぐ始まるそれまで頑張って行かないといけないのだ。

 碧愛の様子がおかしいのはもう私たちの中では普通のこととなった、いや、なってしまった。

 正直、お兄さんに何と言っても碧愛の方がああなってしまったからもうどうしようもない、まぁお兄さんからなんかするわけでも無いから諦めたんだよね。


 修学旅行から帰ってきた後の週末はみんなで芋掘りをして、とった芋をすぐに焼いて焼き芋にして食べた。

 落ち葉で焼くやつ今まで創作物でしか見たことなかったけど実際に食べてみるとかなり美味しい、お兄さんってどこか残念なんだけど料理は美味しいし、車が運転できるからすごい。橙愛は焼き芋を食べすぎて夕飯が食べられなくなって涙目になってた、可愛いかったよね。


 そういえば、愛翠がクラスの男子から告白されたらしい。

 クラス1人気の男子らしいけど正直話したことも無いし、どんな人かもわからない。

 人気だかなんだか知らないけど私の妹に手を出そうなんて許さない、どうしてあげようか2度と話しかけられないようにお話ししておこうかな。

 でも、愛翠は告白されたけど断ったみたいだ。



「愛翠、本当に断ってよかったの?」

「愛翠はモテモテなんだぞ!」

「すごいなの」

「私、そういうの興味ないからねー」

「付き合う、なんた、無駄」

「やっぱり、年上じゃないとダメね」


 1人だけおかしい子がいるけど気にしない。姉妹でこういう話するのってなんか楽しいよね。



 これでこの話は終わると思っていたけど、終わらなかった。

 愛翠がクラスの女子からいじめられるようになってしまった。愛翠に告白してきた男子のことを好きだった女子達が、その男子を振ったことに怒ったのが発端らしい。

 見えるところで何か言われたり、持ち物を隠されたりコソコソと何かされているらしい。

 愛翠は初めは隠していたけど、元気がない状態が続いていたからみんなで問い詰めたら教えてくれたのだ。

 許せない、私の妹にそんなことするなんてどうしようか。


「許せないぞ!」

「ええ、それは許せないわね」

「ユル、セナイ」

「許せない許せない許せない」

「そんな気にしなくていいよー…

 私は大丈夫だからー…」

「愛翠をこんなんにするなんて…」


 とりあえずみんなで先生のところに相談に行った。でも、先生は軽く注意するだけで効果がなかった。

 クラスのほとんどの子はいじめっ子たちの味方だったから私たちの訴えがさほど聞き入れられなかったのだ。

 そうしているうちにどんどん愛翠は弱っていく。

 私達は一体どうしたらいいんだろう…




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