第14話 仲直り

 碧愛との走る練習を終えて家へ戻るとみんなが待っていた。


「俺は夕ご飯作っておくから、みんなはお風呂入っておいてね」

「碧愛、お兄さん…。」


 紅愛は碧愛のことが気になって仕方なかったんだろう。不安そうな顔をしている。みんなでお風呂に入ったら無理矢理にでも話をするはず、今の碧愛なら安定しているからちゃんと話ができるだろう、きっと解決できるはず。妹のことが大好きそうな紅愛がこのままなわけ無いだろうし。

 さて、何作ろうかな。碧愛と練習してたからあんまり料理に時間をかけられないし、焼きながら食べれるお好み焼きにしよう。キャベツや豚肉を準備してホットプレートで焼き始める。フカフカになるとか聞いたことがあるから山芋とかを入れてみる。うん、これはきっと美味しくなる。焼き上がる頃にはみんなお風呂から出てきそうかな、喜んでまくれますように。


 □□□


 お兄さんが夜ご飯を作っている間にみんなでお風呂に入る。碧愛の事が気になって仕方がないけれどまだ話をすることができない。帰り道で怒らせてしまってからなかなか話しづらいように感じてしまう。家に帰ってからも何も教えてもらえなかった、無理に聞こうとしてしまったことは反省しなければ。テストとか、運動会のことだとは思うんだけど…。お兄さんが碧愛と話をしたみたい。お兄さんと話す前より今は元気そう、お兄さんはすごいな。私じゃどうにもすることができなかった。でも、お兄さんに負けたとは思いたくない妹たちのことが好きなのは私なのだ。

 でもどうやって話しかけよう、まだ私には怒ってるかもしれないし。


「クレ姉、それにみんな今日はごめんなさい。色々あってみんなに当たってしまったわ。ほんとにごめんなさい。

「ううん、良いの。でも何か悩みがあったらお姉ちゃんに教えて欲しいな」

「ええ。次からはそうするわ。いつもありがとうクレ姉」

「碧愛!心配したんだぞ!」

「もうびっくりしちゃったよー」

「心配したなの」

「ん、心配、だった」

「みんな、ありがとう。何があったかは後で話すわね。でも今回はいい事があったわ。ふふっ、真白くんって結構いい人だったわ。少しは信用できるかもね」

「そうだぞ!」

「「「「何があったの?!」」」」


 やっぱり姉妹でいるのは楽しい、みんなの笑顔は1番だ。碧愛の気持ちが軽くなって悩みが解決してたら私も嬉しい。でもちゃんと教えて欲しいな?てか、お兄さんは何したんですか?あんなに碧愛ちゃんから信用されるなんて、油断ならないですね。あんな顔をさせるなんて、碧愛は渡しませんよ。



 真白の話をした碧愛の顔はどこか大人びていた。

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