今日から六つ子姉妹を育てることになりました。休載中

第6話 カレー

　お兄さんがカレーを作ってくれていた。みんな目がキラキラしてる。透子さんのところでもいいご飯を食べさせてもらっていたけどお弁当だったから出来立ての温かいご飯は久しぶりだ。

　私たちはお兄さんの出してくれたご飯をリビングで食べる。

　お兄さんは気をつかって少し離れてキッチンでご飯を食べらみたいだ。私たちを気遣ってくれているのがわかるから何だか安心できる。

「カレー美味しいぞ！！」

「この、カレー、美味しい」

「もぐもぐなの」

「美味しいわね」

「美味しーね」

　みんなすごく喜んでる。てか、橙愛もう食べ終わってるの？早いなー。親戚の家にいた時なんて貰ったお金で近所のパン屋さんでパンのみみを買って食べたり、余ったご飯を貰って野草と一緒に食べていた。こんなに温かいご飯は久しぶり、私も食べるのが止まらない。

「餌付けされるわけじゃ無いけどこんなご飯が食べれるなんてついてきてよかったわね。信用とかは全然できないけど」

「とにかく怒らせたりして追い出されたら嫌だし、大人しくしてないとね」

「橙愛はおかわりが欲しいぞ！」

「今の話聞いてた？」

　おかわりなんて言ったら怒られないだろうか、橙愛がおかわりを欲しがる。今、怒らせないようにって話してたところなのに…

「やめときなさいよ…」

「ボクももっと食べたいなの…」

「橙愛が頼んでくるぞ！」

「もう仕方ないから私も行くよ」

　碧愛は反対してるけど、妹2人に言われたら仕方ない私が頼んでくるしか無いのだ。それに碧愛も完食して食べ足りなそうだし。

　橙愛と一緒にお兄さんのところへ行く。

「あの、お兄さん…」

「お兄さん！」

「ん？おかわりならあるからどんどん食べていいぞ」

「おかわり欲しいぞ！！！」

「ありがとうございます」

　お願いする前にお兄さんから言ってくれた。全然怒ったりしないし安心だ。橙愛がおかわりを貰ってリビングに戻ると他の子達もおかわりを貰いにくる。

「お腹いっぱいだぞ！お兄さんはいい人だぞ！」

「あはは！橙愛は単純だねー」

「ほんと、単純すぎるわね。モグモグ」

　橙愛は満腹になって幸せそうにしてる。みんなもあっという間に完食してる、恐るべしカレーだ。

　代表して私がみんなの皿を持ってお兄さんのところへ持って行く。

「ご馳走様でした。お兄さん」

「お粗末さまです。みんなが食べてくれて俺も嬉しいよ。皿は俺が洗っておくから。」

「いいんですか？お兄さん、私が洗いますよ」

「俺がやるから大丈夫だよ。それより、デザートにアイスがあるよ！早くしないと溶けちゃうよ〜」

「お兄さん、ありがとうございます」

　お兄さんが気を遣ってくれてるのがわかる。優しいな、いままで会った大人の人とは違うのがわかる。そんなことを考えながらみんなのいる2回へと行く。

「アイス貰っちゃった」

「アイスだぞー！」

「アイス、食べる」

　みんなアイスに喜んでる。こんな生活してたらもう前には戻れる気がしない。みんなのためにもここにいられるように頑張らないとね。