第5話 ざぶんざぶん
子供達の書類を整理していると夕方になる。転校やらなんやらで地味にやることが多いようだ。みんな初めての土地まで長旅で疲れているだろうから早くお風呂に入りたいだろうと考え、夕飯を作る前にお風呂を洗いお湯を貯める。
子供達の部屋まで行き扉の外から声をかける。
「みんなー!お風呂湧いたから、入ってねー!その間ご飯作っておくからね」
一階のへ降りようとすると中からは声が聞こえてくる。
「お風呂だー!やったー!!」
「お風呂うれしいのー!」
そんなに嬉しいのか、ご飯も喜んでもらえるよう頑張らないとな。
□□□
お風呂に入れるからか橙愛たち妹がすごく喜んでいる。妹たちの姿を見ていると私も嬉しい気持ちになる。あぁこの子達はなんでこんなにも可愛いのだろうか。やっぱり私の妹はNo. 1、全世界妹グランプリ優勝です。脱衣所で服を脱ぎながらそんなことを考えている。
「お風呂〜お風呂〜」
「お風呂なの〜」
愛翠と愛黄まであんなに嬉しそう。親戚の家に引き取られてからはお風呂になんて入れなかった。いつも冷たい水で体を洗っていたからお風呂なんて久しぶりだ。透子さんのところではシャワーを浴びれていたけどやっぱお風呂は特別。昔ママがいた頃を思い出す、みんなで狭いお風呂に入ってぎゅうぎゅうになってそれでもすごく幸せだった。きっとみんなもそのことを覚えているはず。
「早く入るわよ」
「入ろ〜!」
「ん、入る」
「入るぞー!」
「入るのです」
「入る前にちゃんと体を洗ってよねー」
うん、みんなはしゃいでる。可愛いけどちゃんとお風呂のマナーは守はないとね。
みんな体を洗いお風呂に入る。6人だとやっぱり狭いよね、でもそれがいい。
「お風呂、最高。」
「あのお兄さん結構いい人かもしれないわね」
「いい人って言ったのです」
「碧愛信じるの早くない?」
「んーとりあえず保留って感じ?今のところはいい人だけどねー」
「お腹すいたぞー!」
みんなでお風呂に入っておしゃべりできるなんて素晴らしいすぎる。お兄さんには感謝しないと。橙愛だけご飯のこと考えてるけど。それも可愛い。
10分入っていると愛黄がのぼせたのかぼーっとしている。
「愛黄大丈夫?」
「のぼせたみたいなの」
「それじゃあみんな上がろっか?」
「「「「「はーい」」」」」
お風呂から上がりお兄さんが新しく出したタオルで体を拭き、透子さんからいただいた服を着て、ドライヤーで髪を乾かす。さっぱりして気持ちいい髪はサラサラだ。
お兄さんにお風呂から出た報告をするためにリビングへ向かうとちょうど料理をしていた。カレーのいい香りがする。
「「「「「「ぐぅ〜〜〜〜」」」」」」
みんなお腹すいてたもん、お腹がなるのは仕方ないよね。
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