第4話 姉妹は移動する

 帰る準備をした俺と引っ越す準備をした子供達は姉さんたちに別れを告げ、新幹線に乗っていた。


 テーテテレ♪テーテテテ♪テテテ テテテ テテテン♪


 新幹線が目的地へと到着する。

 東京から2時間、三列シートに座っていた子供達はワイワイと喋っており、軽い旅行のような感じでとても楽しそうだった。

 仙台駅の改札を出ると電車に乗り換え家の最寄り駅まで向かい、その後パスで家の近くまで向かう。


「よし、今日からここはみんなの家だから遠慮せずに使ってくれ。みんなこれからよろしくね。」


 初めて見る風景に辺りをキョロキョロと見回す子供達。

 家の中に入ると、家の中を軽く案内し、2階にある空き部屋へと子供達を連れていく。


「ここはみんなの部屋にするから自由に使ってね。今から布団とか持ってくるからゆっくりしててね」


「こんな大きい部屋…。あ、ありがとうございます。」


 5人は自分たちに部屋が与えられて驚いているのか固まって何も声が出ないようで長女だけかろうじて返事をする。


 みんなに早く慣れてもらわないと俺もなんだかつらいな…。


 一階の客間から布団を持って子供部屋に行くと、6人は隅っこに座って畏っていた。

 広い部屋の経験がなく緊張しているのか、はたまたこうしなければならない生活をしていたのか、歪んだ心を感じて悲いと思ってしまう。


 6人分の布団を運び、子供達にちょうどいいテーブルを運び入れると、6人が立ち並んでいた。


「「「「「「お兄さん、これからどうかよろしくお願いします」」」」」」


「おぉ…。みんなよろしくね。俺のことは真白とか白ちゃんとかまぁくん♡とか呼んでいいからね。

 君たちの家だから好きに使ってね。

 ようこそ、白金ファミリーだよ」


「えっと…お兄さん?分かりました、よろしくお願いします。"お兄さん"」


「プッ…白ちゃん…?」


「ちょ!橙愛!」


 みんなが挨拶してくれたことに驚きと嬉しさを感じ、渾身のジョークを使ってみたが橙愛にしか刺さらず、紅愛には絶対に呼ばないぞという強い意志を感じる返しをされてしまった。

 うーん、こんな反応されるのか、もっとフレンドリーに行きたい、ちょっと泣いちゃうぞ?

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