第2話 邂逅
時刻は13時過ぎ、皆がまだ昼食を食べていないことに気がつき、宮子姉さんがあらかじめ用意しておいた弁当を食べることとなった。
姉さんたちもまだ子供達と完全には打ち解けているわけではないのか、子供達の座る場所と俺たちの座る場所には少しの距離がある。
透子姉さんはご飯を食べながらおもむろに話し始める。
「じゃあ、とりあえず子供達と真白で自己紹介しよっか!じゃあ真白よろしく」
俺は急に話を振られ、少しばかり面食らうが、まだ名前も知らなかったなと気がつく。
「俺は、
子供相手に緊張してしまい最低限のことしか話せない俺を見て姉さんたちはニヤついている。
子供達はどこか不安な様子で俺のことを見ている。
1人は無我夢中でご飯を食べているが。
「さあさあ、みんなも自己紹介しよっか」
透子姉さんに言われ、渋々と言った感じで子供達が自己紹介を始める。
「私は、長女の
「次女の
「三女の
「三女の、
「五女の
「六女の
初めに話した子が紅愛という紅の山茶花のように真紅の髪を胸の辺りまで伸ばしたロング女の子で、赤くどこまでも透き通った綺麗な目をしている。
この子は、子供達の中で1番大人っぽく見える。
2番目に話した子が橙愛という金木犀のようなオレンジだがどこか落ち着いた色の髪を後ろで薄んだポニーテールの女の子で、猫のような大きな目をしている。この子は、活発そうに見える。
3番目に話した子が碧愛というブルーローズのような碧い色をした髪のショートカットの女の子で、大きなめはややつり目をしている。この子は、どこかクールなように見える。
4番目に話した子が愛紫というスミレの花のような薄紫ながら鮮やかな色の髪をハーフツインにした女の子で、おっとりとした感じの垂れ目で泣きぼくろがある。この子は、ミステリアスな感じに見える。
5番目に話した子が愛翠という翠のアジサイのような澄んだ翠色をした髪をセミロングにした女の子で、パッチリとした可愛らしい大きな目をしている。この子は、とても明るそうに見える。
6番目に話した女の子が愛黄というヒマワリの黄金のように輝く黄色の髪を腰まで伸ばした女の子で、目蓋の降りた眠そうな目をしている。この子は、どこか幼いように見える。
6人の自己紹介を聞き、うまくやっていけるのか不安になる。自分なんかにできるのだろうかとネガティブな思考に陥ってしまうが、一度決めてこと、やるしかないのだ。
1人覚悟を決めていると、姉さんたちが子供達に真剣な顔で話しかける。
「私たちが勝手に決めちゃったけど、みんなは真白のとこで暮らすのでいいと思う?みんなが嫌なら施設に行くっていうのも仕方ないし、無理に真白について行けとは言わない。みんなはどうしたい?」
子供達は顔を見合わせて何かを考える。
数秒にも満たない長さだが随分と長く感じられた。
「みんなはどうしたい?」
「「「「「……………」」」」」
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