第5話 高倉正剛・土御門新之助
「実は、祖父は自分が分家とされたことについて、全く納得していないの、本当は自分が本家を次ぐべきだって今も思っているの。だからいつも
「なんだよ! まるでオカルトの上にプロパガンダだなぁ。で、部長に何をお願いしたのよ」蓮副部長が尋ねた。それに答えたのは頭をガリガリとかく帆蟻部長であった。
「つまりだな……。俺たちミステリー研究会は毎年夏休みにキャンプ合宿を行っているだろ。だから今年の合宿を高倉さんの実家の近くでやってくれないか? と言う御願いだよ」そこで、副部長は、欠伸をしながら尋ねた。
「彼女の実家って、どこにあるのよキャンプ等出来る所なの?」
「彼女の実家は、長野県の黒姫山(くろひめやま)、長野県上水内郡野尻にある
「長野県上水内郡野尻! 何だって、もう新潟県との境じゃないか?」
「そうだよ、更にその黒姫山の裾野に開けた村だ。その黒姫山ってのがよ、長野県上水内郡信濃町にある標高2,053 mの成層火山。南東方向より見た整った姿から郷土富士として信濃富士とも呼ばれている。黒姫山は野尻湖を挟んで東の斑尾山と向かい合う、ボリュームの大きな火山である。全山黒木に覆われた、お椀を伏せたような山容は、何か伝説を秘めているよう ……、そんな場所なんだ。何かしら不気味でないかい?」
「そんなところにキャンプ場なんてあるのかよ!」
「勿論あるんだよこれが、そ彼女の父親が家の近くに、丸太作りのログハウスを四棟建てていて、一棟に四人まで泊まれるそうだ。キャンプ用に建てたから、バーベキュやキャンプファイアも出来るようにしているらしい。近くに小川もあって、良いところらしいで」
「つまり、そこで俺たちのキャンプ合宿をやれと! 何でやねん」
「ええとそれは、俺たちが近くにいたら彼女が安心できるかららしい」
「俺たちじゃなくて、俺だろ!」
「デヘヘ、そうとも言うかな」
「けんじゃないよ❗ なんでお前のために……」
「まぁ、そう言うなよ。まだ夏の研修の事なんだから、全員が集まって話し合おうぜ」部長がそう提案すると、副部長が、
「よし、判ったよ。全員が集まる日を俺が決めるから、巨勢君、連絡するから、みんなに連絡してくれないか。それで良いかな」
「はい判りました」と巨勢君が皆の連絡表を見ながらしぶしぶ答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます