第10話:パーシルエンドのこと。
マーテルベルをひとり修道院に残してパーシルエンドはおばあちゃんと
マルファーラを連れて、おばあちゃんの家に帰ってきた。
「さ、無事帰ってきましたよ」
「ありがとうね、これでマルファーラと暮らせるよ」
「では私はこれで失礼します」
「ファーゴットさんにもお礼を言っておいて」
「落ち着いたら孫を連れて、改めてお礼に伺うから・・・」
「分かりました、マーテルベルに伝えておきますね」
「では・・・」
そう言うとパールエンドはふたりの前から消えた。
その頃、マーテルベルは風のシルフを召喚して彼女と世間話をしながら雑貨屋
さんに帰ってきていた。
パーシルエンドみたいに一瞬でと言うわけにはいかなかったが、それでも風に
乗って一気に雑貨屋に帰ってきた。
風から降り立つと
「シルフ・・・ありがとう・・・またね」
マーテルベルはシルフにお礼を言った。
「ごきげんよう・・・」
そう言って実体化したシルフはマーテルベルに手を振って風とともに去っていった。
「さてと・・・パーシルエンドのお話を聞かなきゃ」
マーテルベルが店の中に入るとパーシルエンドが先に雑貨屋に帰ってきていて
店の中でスモールアンクルと、なにやら話をしていた。
「あ、マーテルベル・・・お帰りになりましたか?」
「ただいま、パーシルエンド、スモールアンクル」
「おばあちゃんとマルファーラはちゃんと家に送り届けましたからね」
「おばあちゃんが落ち着いたらお礼にお伺いしますって」
「ありがとうって言ってましたよ」
「分かった・・・おばあちゃんもお孫さんに会えてよかったね」
「さあ・・・パーシルエンド、次はあなたの番よ」
「どうして、あんなギミックたっぷりな宝箱になってたの?」
「聞かせて?」
「そうですね、例の西で起きたコルドアスの戦いの時、私もそこにいたんです」
「そこで敵の魔法使い「メルキゼクト」と言う魔法使いと戦ったんだすけど、
向こうは年季の入った魔法使いですから・・・私が太刀打ちできるような相手
ではなかったんですね」
「それで、なんとか抵抗したんですが結局、力尽きて私はメルキゼクトの魔法で
あの箱にされたんです」
で、メルキゼクトの住処の端で、彼が欲しいと思ったものを出してたんです」
そうこうしてるうちにドワーフたち数人がメルキゼクト住処に泥棒に入って、
彼が留守をしてる間に私を宝箱なんかと勘違いしたんでしょうね」
「そのまま荷車に乗せて盗んで行ったんですよ」
で、あとはマーレルベルも知ってる通りです。
「そうなんだ・・・大変な目にあったんだね・・・でも元どおりの姿に戻れて
よかったね」
「おかげさまで・・・あなたのおかげですよマーテルベル」
って訳でドワーフに加えて魔法使いも雑貨屋に居座ってしまうことになった。
パーシルエンドがいないくなったら、探し物をしてるお客様に対応できなくなる
からね。
エルフにドワーフに魔法使い・・・これにホビットが加わったら指輪物語が
できそうだった・・・あと人間のオリバーを加えたらね。
つづく。
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