第三話 リアルボーカロイドフェスタ

イベント出演が決まってから、僕らは曲を決めて練習したり、曲の間のトークの内容などを決めたりした。

そうしてリアルボーカロイドフェスタ当日となった。


「ふぁぇー、ひっっろい会場だなぁこれは」


「だな。あっ、見ろよあれ。ボーカロイドの白念ミミークの等身大像じゃね?」


「うわぁ、本当だね」


「俺らほんとにこんなでっかいイベントで演奏すんのか?」


「これで僕らの番で『誰こいつら?』とかなってしらけたらどうしよ」


「おい光(特級フラグ建築士)やめろよそんなこと言うの、焔(特級フラグ回収士)がフラグ回収しちゃうだろ」


「そ、そうだな。変なこと考えるのはやめておこう」


「おーいみんなー楽屋の方に行くよー!」


受付に行っていた沙莉が遠くの方から呼んでいた。


「わかったすぐ行く」


そうして僕らは楽屋へ向かった。


楽屋につくと衣装に着替えてチューニングを始めた。


「そういや俺らの番ってどこら辺なんだ?」


「んーえーっと私たちの番は第二部の四番手」


「第二部って最近話題になり始めた人達の部だよね?」


「そうそう。しかも私達の前のグループは最近歌い手界隈で圧倒的な人気を誇ってる実力者達の歌い手グループなんだって」


「なるほどー、つまり僕らは印象には残らないってわけだ」


「さっき光が言ったことがもう現実になりそうだな」


「まぁそんなに気にしてても仕方ないだろ。とりあえずやるだけやってダメだったらダメだっていいじゃないか」


「それもそうだね。ここで印象に残らなかったからなんだって話だからね」


「それに俺らはあくまでも高バンランキング第三位だ。一応多少の人気はあるはずさ」


その時楽屋の扉が開きスタッフの人がやってきた。


「レッツおやすみパーティーの皆さんもうそろそろ準備お願いします。」


「あれ?沙莉俺らの出番って二部じゃなかったっけ?」


「はぁぁなんも分かってないの焔は。もう二部始まってるよ」


「えっ、そうなの!?」


「光もなの?」


「うっ、」


「はぁ。私たちが楽屋に入ったのはもうすぐ一部が終わる頃だったんだよ」


「なるほどね。理解理解」


「あのーそろそろご準備を、、」


「あっ、すみません今行きます」


僕らのアホみたいな会話でスタッフの人を待たせてしまっていたみたいだ。


僕ら五人がステージの裏に来た頃にはちょうど二番手のグループが終わったみたいだ。


「次は例の歌い手グループか」


「さーて俺らの前座として頑張ってくれよ」


「おい、やめろよ。どちらかと言えば僕らがこのグループの余興なんだから」


「はいはい二人とも静かにする。もう歌い手グループのステージ始まるよ」


歌い手グループがステージ中央に立ち曲が始まった。だんだんとスポットライトが当てられていくとそれに比例して声援の声も大きくなっていった。


「すげぇ上手いな」


「うちの歌とは比較にならねぇな」


「あん?光それはどう言う意味だ?」


「それにしてもどんな練習したらこんなに上手くなれるんだろうねぇ」


「やっぱ練習してる時間と歌ってきた年月が違うんだろうなぁ」


「私らはこの人達よりも凄いパフォーマンスしないと印象に残らないんでしょ」


「厳しい世界だねぇ」


「まぁ何事も当たって砕けろだ」


「そうだな」


その時歌い手グループのパフォーマンスが終わった。


「レッツおやすみパーティーさんお願いしまーす。」


「さて、やりますか」

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let's高バンランキング 光不愛婆 @hikarihuaiba

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