男は、寒空の下を、歩いている。絶望と哀しみを、知らぬ人生ではない。まだ、希望を、諦めるような、人生ではない。愛する妻がいる。愛する妻は、身ごもっている。素敵な愛の物語です。詩で仕立ててあります。すっと読めて、うつくしい冬空の、あたたかさまで、感じ取れるかのようです。寒い空でも、主人公の心に、あたたかく見える、その瞬間を切り取っています。
那智風太郎自主企画『プレゼント』 最優秀作品不穏な空模様の情景から始まった詩はいつしか雑踏を分けて急ぐ足取りに変わり、やがて戦場へとたどり着く。そこに待っていたのは純粋なる命(みこと)の出現。その瞬間、焦りも不安も苦しみも痛みさえも全てが幸福へと変わる。すべての根源を謳う力強い詩が読み手の心を震わせる。