第13話 トイレ睡眠術
静寂、時として良い時もあるが、今は、
「「..........」」
いつも座っているソファーが何故か狭く感じる。とにかくここから逃げたい。最近横に居る幼馴染に毎度怯えているのは気のせいだろうか。
「(夕飯はレパートリーが被る事を想定して私の家と隼の家のレパートリーを織り込んで生活しようかな)」
「(何故だろう。ここは10年以上過ごしたマイホームなのだろうか)」
沈黙が体感1時間、実際には5分程だった。
「隼」
「はい!」
「お茶いる?」
「大丈夫です」
喉は緊張で今にも枯れそうだが、それ以上に今は、この場を離れたい。そして....あ、
「お茶飲みたいです」
「そう、それなら最初から素直の言いなさい」
雪葉は嬉しそうにリュックからペットボトルを取り出して、僕の渡してきた。見た感じ新品だったので、
「ありがとう」
「別に」
貰ったペットボトルを半分まで飲んで、僕は最初から決めていた言葉を言う。
「僕、少しトイレ行くね」
「あ......ちょっと」
僕は緊急性をあまり感じないが、この場所から逃げる選択肢を選んでトイレに入った。
「ふぅ.......雪葉が帰るまでとりあ......」
何故だろうトイレでねむくなるなん.....、
私は睡眠薬を持っていなかったが、父親が使っていたので少し拝借して、少量をペットボトルに入れて隼に飲ませる所までは順調だったのに、
「やっぱり、寝たよね。でもこれじゃあ膝枕も抱き合いっこも添い寝もできないじゃない」
隼の後を追ってトイレに行くとトイレから少し鈍い音が聞こえてきたので、少し後悔しながらリビングに戻った。
「えぇ.....と、これかしら」
私は再度トイレに戻って、さっき持ってきた十円玉を鍵穴に食いこまして、少しずつ開く鍵を興奮しながら見ていると、
「よし、開くよ隼」
男子が居るトイレに入るのは、正直戸惑ったけどもしかしたら隼が危ない可能性もあるので、仕方なく仕方なく入る事にした。
「ふふふふふじゅるり」
私は隼のアレを見ながら寝ている隼の頭を私の肩に乗せてパンツ、ズボンを履かせて、隼をトイレから出した。
「少し計画は変わったけど、これからよね」
隼を支えながらリビングに戻り、予定通り私の膝に隼の頭をのせ........、
「(これって.......やばいわ。こんなにも気持ちいいものなの)」
隼の可愛い眠り顔を見ながら私の太ももは喜びで、少し痙攣していた。そして、隼の髪を手で触りながらおでこに、
チュ、
「本来なら隼からして欲しいけど、これもこれでありかな」
そして、
「隼、私あなたと一緒に居たい。ずっと側に居たい。家、学校、帰り道、部屋、どんな時でもあなたが居ないと不安で生きていけないくらいに苦しいの、でもね隼が居るとその苦しみが嘘のように消えていくの、だから絶対に離さない。そして絶対に私以外と関係を築かせない。そう............絶対に」
隼の可愛い寝顔を見ながら今後の誓いを述べて、私は再度隼も顔を触り始めた。
「意外と眉毛長いのね。それに綺麗な唇、目、頬、鼻、これは私の、ずっと一緒に居た私だけの物なの。それなのに最近は要らない人達が近づいてくる。でも大丈夫、隼は私と結婚するから」
私は眠っている未来の旦那をソファーにゆっくりと置いて、リュックに入っているある物を、学校からの連絡封筒に入れた。
「隼..............また明日」
私は嫌々家を出て鍵をかけて、自分の家に戻った。
「......................雪ちゃん」
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