第11話 考える者と無知な者

 夜更かしを行った日の教室はとても温く感じて、今は絶賛机を用いて日向ぼっこをしています。誰も話しかけてこないので、ゆっくりと休息がとれていた。


「あーりまーくん、おはよう」

「う」

「有馬、俺は今週中にあるイベントを発生させる」

「そうか」

「そうなんだ、聞いてくれるか?」

「う」


 睡眠妨害をしてくるイケメンがこの世で1番罪深いと、今僕は悟った。


「俺は.............佐藤さんに告白しようと思う」

「そっか、頑張れよ」

「ありがとな、それで有馬にも協力してほしい」

「めんどい」


 告白するならしたらいい、多分僕の考えでは成功するはず、アレでもこいつ彼女いたくね???、


「お願いします。俺は佐藤とどうしても恋人になりたいんだよ」

「何で?」

「綺麗だから」

「そっか」


 単純な好意はあまり好まないけど、好きになったのなら、仕方ない。でもこれで学校のビックカップルが誕生するな。


「それで何を協力したらいいの?」

「週末に佐藤と俺を偶然会わすように裏から手助けしてくれ」

「分かった」

「ありがとな、それじゃあ」


 僕の睡魔も限界だったので、僕は素早く話を切り上げてゆっくりと、暗闇に潜った。




「みんなおはよう、授業が始めるから席につけ」

「(坂井許さない)」

「(隼眠そうだな、でも今日が終われば土曜日だから頑張ろうね)」


 睡魔と坂井への恨みを重ねながら、授業を半流ししながら、ずっと仮眠していた。



「それじゃあ、終わるか。午後は先生達は会議があるから帰宅になるが、寄り道はなるべくするなよ」

「「「「「はい」」」」」


 これです。これを知っていたから、朝の4時までゲームをしていました。帰ったら仮眠をとって夕方からゲームをしますよ。



「.............う、」


 今は2通の連絡が僕に入った。


 隼、今日用事あるから付いてきて

 有馬、今日作戦考えるから来てくれ


 



「(僕は何も見ていない見ていない見てない)」


 少しずつ消えていくクラスメイトに紛れて帰ろう。雪葉には多分ばれるが、それでも今は家に帰って寝たい。雪葉、坂井、自分の都合だけ押し付ける奴は、嫌われるんだぞ。



 僕は全速力で教室を出て廊下を走った。後ろから坂井が走って来ているのは、当然理解しているが、僕には奥の手がある。



「あれ......有馬どこ行った?」


 授業が終わって有馬に相談しようとしたが、あいつは逃げていたので、捕まえようとしたら、消えた。


「俺の方が速いし、多分体も強い。何故捕まえられないんだ」






 坂井は勘違いをしている。僕はまだ学校の中にいるし、当然坂井の近くに居る。何故坂井が僕を見つけられないのかは、至って単純、


「隼?何で逃げたの」

「すいませんでした」

「謝罪は後でいいよ。何で逃げたの?」

「家に帰りたかった」

「なら連絡しないとダメだよね」

「すいませんでした」


 現在正面には雪葉が居て、当然怒っている。でも僕は悪くない。今僕の状態は最悪だが、それでも僕は悪くない。


「雪葉、お願いします。ここから出たいです」

「そうだよね。出たいよね。なら私の言う事聞いてよね」

「聞かないとどうなるの?」

「............」


 クールに決めている雪葉、少し眠たい僕、そしてこの場所は........予備倉庫、


 僕は暗くて狭い所が苦手であると、雪葉には言っていたが、坂井から逃げる最中に雪葉に腕を強引に引っ張られて今に至る。


「隼、家行こっか?」

「はい」



 坂井の声も聞こえなくなったので、外に出れると思い、僕は後ろにあるドアを開けようとしたら、


「待って」

「何?」

「坂井君と何かあったの?」

「どうして?」

「追いかけられてたよ?」

「何もない」

「そう」


 雪葉は手を離してくれて、僕はやっとこの最悪な空間から解放された。外に出ると大半の生徒は消えていた。理由は今日が金曜日だから、


「隼、行くよ」

「はい」


 雪葉に睨まれながら僕は下駄箱を開けて靴を取り出して、雪葉に睨まれながら学校を出る事になった。




「有馬ここか、違った」


 俺の推理では有馬は、絶対に図書館に居る。少し図書委員に睨まれながら恋のキューピットを探す。有馬........ここだな、





「雪葉、もうすぐ着くよ」

「分かってる」

「なら良いよね」

「は」

「すいませんでした。僕が間違っていました」


 家が近づき、僕は雪葉に懇願しよとしたが、顔を見れば分かる。絶対に無理だ。




「(隼、今日は絶対に逃さないし、私は決めたよ。隼も覚悟してね)」


 

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