最終話 暁の少女
めでたく無事にドムの店まで
ガヴィは薬草が
ガヴィとイルはお茶とドムを前に、
「………」
「さーて、
ドカッとソファに腰かけ、ドムが足を組む。
「
しかも人間では三日の
ガヴィは物言いたげにこちらを見ているが口を開かない。
イルは
「あの……私は本当はイルって言います。
「!」
ガヴィが
イルは母親が森の
「
それに、ガヴィと
チラリとガヴィを見る。
「あの……
ペコリと頭を下げる。
これで全てに
人の話が
「……なるほどね」
よく見ればまだ十四の少女。
子どもと言っても
「……
ありがとな、と言われてイルは
「お
ドムが
イルはハッとしてガヴィを見た。
「理由は
ガヴィ! ガヴィが受けた
お
あの
「……なるほど。
あの日、
よーく思い出す。同じお茶を飲んだガヴィやゼファーと
「……あ! お
「あ?」
「あの時、
アルカーナ国王は仕事の合間にお茶を飲む時、いつも
国王に
「なるほどね……」
しかしこれで、全てがフォルクス
「……ガヴィ……早くこの事を
イルが青くなる。
「ああ、その件に関しちゃ大丈夫だ。
あの時現場にあったものは全て
ガヴィの話を聞いて、イルはホッとした。
「お前ら……、国王
一体何者なんだよ」
今まで
「ガヴィ、ドムさんに何も言ってなかったの?」
イルは
「ここは客の
しれっとガヴィが答える。
「ドムさん、あのね。ガヴィはこんなだけど
「テメ、こんなは
ガヴィはイルの頭を軽くはたいた。
そのまま二人はギャーギャーと
「……マジかよ」
ドムは
「とりあえず! すぐに
「……もう、どっちでもいいよ」
イルは
ガヴィは大分調子が
「というわけでおっさん。
あまりにサラッと言われて、
「は、はあ〜〜〜っ?!」
口をあんぐりと開けたドムに、イルは心底気の
***** *****
カツカツと
通い
(いや……あの事はまだバレていないはずだ)
フォルクス
先日王都より
火急の用のため、王家
このような
しかし森の出入りは
気がかりはレイ
何か聞かれても、知らぬ
フォルクス
「フォルクス
「国王陛下におかれましてはご機嫌麗しゅう。
フォルクス
「……遠いところを何度も足を運んでもらってすまない。
実はここだけの話だが、一週間ほど前からレイ
フォルクス
「レイ
「ああ、彼と連絡が取れず彼の
……
「私の耳には何も……」
「そうか……」
国王は
フォルクス
レイ
フォルクス
「レイ
実はその後の調査で
「うん?」
国王が
「王子
王子を
だが、その計画に反発した親王派住民との間で
「……実は里の生き残りが見つかりまして、
口からでまかせをもっともらしく言う。
「……そうか、
フォルクス
だから、国王が何に対して
(計画は失敗だったがこれで身の安全は
後はレイ
「
うやうやしく頭を下げる。
お優しい国王
「――じゃあ、
国王でない聞き覚えのある声に、信じられないものを見る目で頭を上げる。
アヴェローグ
「な、な、なぜお前がここに……?!」
あまりの
「ノールフォールで
「い、言いがかりだ!
この者の言う事を信じてはいけません!
…そうだ!
フォルクス
「白い
ギクリとフォルクス
「……っていうんだってなあ、あの
ノールフォールに自生する、あの地域の住民ならみんな知ってる
ガヴィがゆっくりと国王の前に出る。
「
フォルクス
「女官から
あの日、女官の前に
今まで
「
フォルクス
「
フォルクス
森で不意打ちを受けた時とはうって変わり、ガヴィは真正面からフォルクス
「……
ギリリとガヴィを
「お前の様な
お前もだ! エヴァンクール国王! フォルクス家を何代もあの様な辺境の地に
私が、私こそが――!! 私が悪いわけではない!!」
ゼイゼイと肩で息をする
「……ノールフォールは我が国最北の国境に面している重要な地。
辺境にあるからといって下に見ているわけではない。
君のお父上は、そのことをよく
……『
エヴァンクール・アルカーナ国王の、静かな
その後、フォルクス
古くよりノールフォールの森を任されていたフォルクス
フォルクス
「
とはガヴィの
何はともあれ
さて、もう一つこの
「おや」
「まぁ!」
「うわあ〜!」
「あ、あの……その……イ、イルと言います。
……ずっと
ガヴィにそうしたようにペコリと頭を下げる。
シュトラエル王子はイルにぎゅっと抱きつくと心底
「
すごく、すごーく
人になれるのではなく
「……
……辛い思いをさせてすまない」
エヴァンクール国王はそう言って頭を下げてくれた。
イルは思わず
「いいえ……! 国王
……すごく、
ガヴィや、ゼファー様にも
イルの素直な言葉を聞いて、ガヴィは
「シュトラエルが君に
……これからもシュトラエルの良き友としていて
……
エヴァンクール国王の深い
「ね! イル! むこうで
小さな手に引かれて
あの日、暗い森の中
「おい! はしゃいで転ぶなよォ!」
そして、いつも
一人ぼっちで泣いていた夜明けの
イルはやっと、一人ではなくなったのだった。
❖おしまい❖
2023.2.5 了 SpecialThanks! A.K&娘へ
↓このお話の番外小噺
その娘、無自覚につき
https://kakuyomu.jp/works/16817330668440716307/episodes/16817330668440941579
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