第8話 救出
小さな
小屋の入口には、点々と
(自ら
国で一、二を争う強さと言われているあの男に一太刀を浴びせることが出来た。
深い
(
中からは人の気配がする。
フォルクス
ドアを開けると、中は
いきなり中に
あの
中の暗さに目を
小屋の中を見回すが、赤毛の
十四、五の
部屋の床には
「……君、何があった?」
ビクリと肩を
金の
「きゅ、急に……赤い髪の毛の男の人と、
少女の話によると、赤毛の男は小屋内を物色し、薬草の
よほど恐ろしかったのだろう、少女は
「なるほど……。
実はその男は
「こ、
で、でも……」
(来た道を戻ると
フォルクス
「……」
フォルクス
少女、イルははーっと長い息を
「……お見事……」
ベッドの下からガヴィが顔を出す。
「……色々、
「ちょっと待ってて!」
「ってオイ!」
ガヴィのセリフに
ガヴィは
「……なんだってんだ……あー……ダメだ、
頭がぼおっとする。
アカツキが
(あいつ……アカツキだよな?
やっぱ
***** *****
イルは
(早く、早く森を出なくちゃ! あの
イルが小屋に戻った時、すでにガヴィの意識はなく、イルは最悪の事態を
だが、
幸い、野草をすり
しかしもし、刃に
助けを
イルは
薬が
そもそもこの薬草で合っていなかったら?
最悪の未来ばかりが
(大丈夫……大丈夫……ガヴィは、死んだりしない)
「薬……
目の前がぼやけてくる。イルは
(
薬が
今の時点でフォルクス
早急に助けがいる。
「……ガヴィ、待ってて……!」
イルはガヴィを再びベッドの下に
イルは小屋の
ガヴィがいるベッドの方を
(……
イルは
森の、外へ向かって。
***** *****
イルは全速力で森を
背にはガヴィの
これにはあるものが入っていた。
王都へ
ドムの店での別れ
『お前にはいつもご
『
『いやいや、ただの
これはな、力を発動させると勝手に
まだ改良が必要だけどなと笑ってガヴィに
まだ
ガヴィは「人体実験かよ」と
(ドムさんのお店まで行ければ助けが
イルは走って走って走った。
一心不乱に走ったので、木の枝等を体のあちこちにつけたままであったがそんな事は気にしていられなかった。息が上がり
ただ、森の外に飛び出すことはしなかった。
フォルクス
イルは乱れた息をなるべく
ドムに説明する事もできない。
もう、後戻りはできない。
(
最後にくれた父の愛情を大切にしておきたかったけれど。
(大丈夫。
筒から
***** *****
「あん?」
ドムは自分の
(赤毛のボーズ、あれを使うには早すぎじゃねえかあ?)
ボリボリと頭を
程なくして部屋の中心がボウッと光りはじめ、
「お前さんよ、ちょっとは
しかし、
「はァ?! え? あ、アンタ
「ドムさん! 助けて! ガヴィを助けて!!」
よろず屋の主人ドムは
(――まて、ちょっと落ち着けドムさんよ)
一つも落ち着いていやしないが、頭を整理しようと息を
自分の
しかしドムの知り合いにはこんな少女はいない。
(なんでこのお
改めて少女を見る。
少女は
やけに小汚い服を着ている。というかよくよく見ると体に合っていない。
顔は何かで切ったのか小さな
「?! ……っ?」
服が体に合っていないどころか、そもそもこの少女、下のズボンを
服が大きいのでチュニックのようになっているが上着だけである。しかも
「ちょ…!
お
思わず自分が着ていた長いガウンを着せる。
ふと見ると、少女の首には見覚えのある赤い太陽を
(まさか)
「私、アカツキです! ガヴィが連れてた!」
少女が必死に
「
ドムさん、お
そのままグイグイとドムの腕を引っ張り、今にでも
「ちょっと落ち着きなよお
……お前さんの言葉を信じるなら、アンタはあの赤毛ボーズが連れてた
その言葉にイルは
「いや、ちと落ち着きなって。
まずは……そうだな、とりあえずまともな服着てよ、ちゃんと説明してくれや」
そう言ってドムは店の商品をひっくり返してイルが着れそうな服と
「……顔拭きなさいよ。ちと
そこで初めてイルは自分が
ピリピリと
「……で?
ドムも部屋の
イルはノールフォールの森には調査で行った事、調査中に出くわした
「一応
今すぐにでもあの小屋に戻って、ガヴィの無事を
「……でも、私だけじゃ絶対に助けられないから、ドムさんの力を借りたいんです。
ガヴィは、
ドムさんにはなんの得にもならないけれど、お
「……
イルは
「ま、でも、何の得にもならねえが、
……お得意様を失っちゃ、
「!」
宮中一級酒も
「ただ一つ問題がある。
ノールフォールには行ったことがあったから
たがガヴィのいる小屋には行ったことがないから道を
「お
イルは
「オイオイ、そんな顔しなさんなって。
……移動
「イメージ?」
イルが聞き返すとドムはニヤリと笑った。
「そう。自分の行ったことのある場所を
イメージと実際が
「やったことはねえが、お
どうだ、やるか? のドムの
ならば思い立ったが吉日とドムは立ち上がり、イルを部屋の中心に
「いいか? 今から
今だ! と言ったらお
その際、必ずドムの手を離さないこと、離せばイルのイメージを拾えないし、もしイルとドムが別々の場所に飛ばされた場合、助けに行けない事を注意された。
イルは深く
「よし、はじめるぜ」
イルはドムの左手をギュッと
ド厶が
「今だ!」
ドムの
ガヴィの元に行きたい! と。
***** *****
(――あ?)
不意に意識が
だが目の前が真っ暗だ。いよいよここが
軽く頭を動かすと視界が開ける。
……まあ視界が開けたところでやっぱり
天井が低いと思ったのは自分が
二、三度手を
辺りを
ガヴィは前後の
(アイツは……
……頭は
ベッドを背もたれにしてふーっと息をつく。
どうやらアカツキが手当てをしてくれたらしい。
小屋の
(アイツも無事
まだ完全復活とは言えないが、さっきに比べれば天と地の差だ。
(あぶねーあぶねー、
直前の出来事を
(アイツ、結局
あー、でも中身があれなら、色々
何故自分達と行動を共にしていたのか、何故人になれる事を
けれどガヴィは何かストンとアカツキの存在が
悪意があって近づいたわけではないことはガヴィを助けた事でも
「ま。また会えたらだけどなー」
「ん?」
光は
突然の事にぽかんと口を開ける。
ガヴィが立っていることを
「ガヴィ!!」
「おわっ!」
もはや体当たりと言っても
「オイ……」
「良かった……良かったよぉ……」
ぎゅうぎゅうと抱きついて泣くイルに、ガヴィは
「……感動の再会の所悪いんだけどねえ?
この状況良く無いと思うんだわ」
ハッと
ガヴィはベリッとイルを引き
「どうやらこの小屋に向かって、いくつかの足音が近づいてるみたいよ? どうする?」
ドムの問いかけにガヴィは
「ここを
ドムは無言で
程なくして、数人の兵士が
────────────────────────────────
☆ここまで読んで下さって有り難うございます! ♡や感想等、お聞かせ願えると大変喜びます!☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます