第6話 よろず屋
しかし、同じポットから注がれたゼファーとガヴィのお茶からは
女官本人も自分に不利になると
ますます
フォルクス
いくら小さな村といえど、
住民同士の
王子の
ゼファーが
国王や王子の身が心配であったが、側にはゼファーが付いていてくれるし、
後ろ
「お帰りなさいませ。ガヴィ様、アカツキ様」
(レンの顔を見るとホッとするなぁ)
ここを出てからまだひと月も経たないのにイルはなんだか
レンはガヴィの
「しばらくごゆっくりされる御予定ですか?」
「いや、
イルの耳がピクリと動く。
「……そういや、お前もあそこから着いて来たんだったな。
……お前はどうする?」
ガヴィの話はこうだ。
三つの
王子
国王も王子も今は
「ノールフォールは北の
水面下で
「
そもそも
ということは、
「どいつが
とりあえず一度
ガヴィはノールフォールに行っている間、イルをレンに預けようと思い一時帰宅したのだが、そういえばこいつも当事者だったと思い直した。
正確に言えば、ガヴィはイルが本当に当事者だとはこの時は思っていなかった。
しかし、なぜだか連れて行った方がいいのではないかという思いに
イルは当然着いて行く! とばかりに力強く
***** *****
前回は
しかし今回は
当然、自分の足を使うことになる。
王都からノールフォールの森まで
往復すれば移動だけで半月だ。
ノールフォールは
しかし王家の面々の命が狙われている中、半月以上も王都を
イルは少し不安になってガヴィを見た。
ガヴィは初めて会った時と違い、落ち着いた深緑色の動きやすい服と、目立たない色の頭からずっぽり
一応
ガヴィの赤はなんだか元気が出る。
(ふふ、変なの)
人の頭を見て元気が出るだなんて、イルは自分の思考に一人笑った。
馬も使い、三日ほど北に向かって走ると
アルカーナ王都の
昼前にはポルトの
昨日
あと半日も歩けば夕方には次の町に着けるのでここに
(何か買わなきゃいけないものでもあるのかな……?)
イルの疑問をよそにガヴィはどんどんと迷いなく歩いていく。
そのうちガヴィは大通りから
大通りはあんなに人であふれていたのに、次第に人が減っていき、代わりにちょっと人相のよろしくない人間がうろつき始めている。
昼間だというのになんだか辺りも少し
(ちょっとちょっと! どこに向かってるわけ?!)
少しビクビクしながら必死でガヴィに着いて行くと、ガヴィは
この家、何かの
……確かに色々置いてはあるが、使えそうなものはありそうにない。
しかもドアにはクローズのプレートが
しかし、ガヴィは
ガランガシャンとドアベルらしきものが
「おい! ドムのおっさん! いるか!」
ガヴィはフードを取ると大きな声で叫んだ。
ガヴィに続いてイルも店内に入ると、こちらも店というよりゴミ
かろうじて部屋の奥にカウンターらしきものがあり、奥からこれまた小汚い
「お客さァん、今日は店閉まって……ってなんだ、赤毛のボーズかよ」
ドムと
店も汚いがこの男の風体も
(……名前も
国王から信頼の厚い
しかしガヴィはなんとも思っていない様子でドムに話しかけた。
「道を開いてもらいたい」
ドムは
「……対価は?」
ドムは面白そうにガヴィを見上げた。
「……アルカーナ王宮で出されている一級酒、
「いいねぇ! 乗った!」
ドムは
「ポーンと宮中一級酒を用意できる、
くつくつと
「ここはいつから客の背景
ガヴィがうんざりした顔でドムを見る。
「わりーわりー。ちょっとした
ドムは手をひらひらとさせて店の奥に向かうと二人を手招きした。
店の奥はガラクタの置いてあった店内よりも
イルがきょろきょろと室内を見まわしていると、「ドムのおっさんはこんな
「んで? どちらまで?」
部屋の
ガヴィはノールフォールまで、と答えた。
「ノールフォール! また
「なんだよ、行けねぇのか?」
ドムはカカと笑う。
「いや?
そう言って
そしてガヴィとイルをちょいちょいと
「さぁて! それじゃあ今からこの
そう言って
ドムの
ついさっきまで
「さて、いくか」
ガヴィはフードを
イルは
(え? いや、いやいやいや!
あのおじさん、簡単に
移動の
空間と空間を
ちなみに
王家お
(ガヴィって……変)
口は悪いし、若いのに平民から
(ガヴィのこと、……もっと知りたいなあ)
チラリとガヴィの横顔を盗み見る。
イルはガヴィへの
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