第5話 不穏
さて、王家の
王子にせがまれて王子の部屋で
なんせイルは中身は人間なので、どんな会話もイルには
イルが悪人であったならこれほど美味しい
基本的にはガヴィと行動を共にしていたが、
今日は昼過ぎから王子のところに向かい、国王一家と夕食を共にして、はしゃぎ過ぎた王子がソファで
部屋の前まで行くと
王子を背に乗せて庭を走り回ったので、
ガヴィはまだ帰っていないようだ。
(帰ってきたら音でわかるよね。
……ちょっとだけ休もう)
鼻先で
ガヴィが帰ってきたら一応
東の空がうっすらと白みはじめた
イルは鼻先にかかる人の温かさにふいに
(あれ? ……私、
そして燃えるような赤の色。
まるでガヴィの
イルを
イルが固まっていると、ガヴィは
いつもの
しばらくすると、ガヴィの
完全に
***** *****
「だからよ! お前は何べん俺に
赤くなった鼻先を
夜明けの
パニックになったイルは人であれば
ガヴィの
今日も平和だな、とかなんとか思いながら。
「言っとくけどな!
ガヴィ
ガヴィが仕事を終え部屋に
確かに始めは
落ち度は完全にイルにある。
だが
中身は十四の人間の少女には
(
ガヴィがなにやら
***** *****
「……それでアカツキ
ガヴィの
「この
ガヴィの鼻の頭には
イルは
そんなイルの様子を見て、ゼファーは苦笑いする。
「まあまあ、アカツキ
ガヴィは
「……お前も一回そのお
「いや、まあそれはできれば
ゼファーは思わず顔を
……ああ、消えてなくなりたい。
「……なんというか、でも君も少し
アカツキ
他意はないとはいえ、かなり
「……
「……それはそうかもしれないが、女性には
ゼファーは
『ガヴィはちょっと心配しすぎなんじゃないの? ちょっとはイーリャの意見も聞いてあげなよ』
「……こいつに
いつもとは
「……ガヴィ?」
ガヴィはハッとすると「なんでもねえ。この話は終わりな!」と強制的に話を
ゼファーもイルも
ゼファーとお茶を共にしたあと、ゼファーは国王と共に
ゼファー・アヴェローグ
その為、王位
ゼファーの母親がこの国では
アルカーナ王国は
しかもゼファーは人が
あまりに毛色が
父は王位には全く
良くも悪くも、
しかしゼファーはその
自分の置かれている立場の
ゼファーを
なんの苦労もしたことのなさそうな
「おや、フォルクス
国王の
フォルクス
「これはアヴェローグ
例の
気さくに話す
フォルクス
「ええ、ノールフォールの
生まれた
「とんでもございません。
元は
そう言ってフォルクス
「顔をお上げ下さい
そうだ。思い出した。
フォルクス
アルカーナ
昔
「
「……
フォルクス
フォルクス
「アヴェローグ
書類に目を通していたエヴァンクール国王は書面から目線を上げ、口の
「やあ、来たか。
「ガヴィにも来てもらってすまない。
例の件だが、フォルクス
国王もソファに座り、さして新しい情報はないのだが――と前おいて国王は女官を下がらせた。
ふと、イルは
イルの、というより野生の――
(……なんだろう。何か
鼻が、ビリビリする。
国王が
未だ国王の手のにあるティーカップをみてイルは国王の
「
「何事ですか?! ……この
イルは
「待て!」
今にも
イルは
「……大事ない。
それよりもゼファー、
ゼファーもガヴィもハッとする。
ゼファーは
美しい
「……
国王は立ちあがるとイルの頭を
「皆、剣をしまいなさい。私は大事ない。
……アカツキが助けてくれた」
周りを見ると、そこに居る全員が剣を抜いていたことに気づく。
「
……しかし、特に変わった香りもない。
アカツキには
ゼファーが
国王はフムと考えるような仕草をするとイルを見つめながら言った。
「……
そういって
「しかしこれで、いよいよきな
ガヴィが
三人と
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