第24話:冒険者登録をしよう
それを聞いた
「うむ。あの三馬鹿の性格なら確実に来るだろうからな」
そんな話をしていると耳が長い金髪の受付嬢が、驚いた顔でミリーを見て小走りにやってきた。
耳が長いという事は、彼女はエルフというのだろう。
受付嬢はミリーに悪意を持っていないらしく、駆け寄って来ると小声で「ミリー!? 大丈夫だったの?!」と驚く。
「セルフィ! うん、あのね。この人、信長のおかげで助かったのです」
「そうなの? ふぅ~それは良かった。あの三人が、ミリーを大虎の森へと向かわせたって聞いたから、すっごく心配したんだよ?」
「いやぁ……うっかり罠にハマって、大虎の森に行ったでアリマスよ」
恥ずかしそうに後頭部をかきながらミリーがそう言うと、セルフィは「は? で、でも無事でここにいるじゃない?」と不思議そうに問う。
それを見たミリーが「実は――」と、ここまでの経緯を話す。
「ッ?! 大虎を倒した? そんな嘘でしょ? いくらなんでも二人じゃ無理だよ」
そう言うセルフィに、余のマントをつまみながら「これ、何だと思う?」とミリーが見せる。
「これ? ん……って、これは大虎の羽じゃない!? てっきりイミテーションのマントかと思ったよ!」
「というワケでアリマス。そこでお願いなのですが、信長を冒険者に登録してほしいのです」
「それはもちろん構わないよ。だって大虎を一人で狩れる冒険者なんて、ギルドとしては断る理由がないんだから」
そう言いながら余のマントを引っ張りながら、「信じられない、やっぱり本物だ」と頷く。うむぅ、そんなに凄い物なのか?
「うん、これなら問題ないよ。じゃあ早速ギルドに登録しましょうか。信長さんはギルドの仕組みをご存知で?」
「うむ。ここに来る前に聞いたのでな」
「なら話は早いですね」
そう言いながらセルフィはカウンターの奥へもどり、そこから箱を持ってくると開けて、中から鉄の板がついた鎖を出す。
「これは冒険者の証として大事なものです」
「ふむ、それでこれは何だ?」
「これはアイアンランクのプレートです。本来なら最下級から始めてもらうのが普通ですが、信長さんは一人で大虎を倒す事が出来る実力者。ですので、初心者から始められるランクで最高の物をご用意させていただきました」
そう言うとセルフィは説明を始める。
どうやら本来ならゴールドランク級の実力があるのだが、いきなりそこまでは飛び級出来ないという。
理由は証拠が不正で上げてしまう事がある。例えば今回なら、マントをどこぞで購入した場合だということだ。
「なるほど、言われてみればそのとおりよ。それでどう余が大虎を倒したと証明する?」
セルフィは「いい質問ですね」と言いながら、カウンターの下から透明な大玉を取り出す。
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