ライトノベル市場の現状と職業作家の難易度再び
本雑記の一つ目でも取り上げた話ですね。
今回はあれに、現実のライトノベルの市場のデータを併せて現状とかを重ねてみました。
現状、ライトノベルという物自体が非常に厳しい状況に置かれています。
カクヨムだとらんた様という方が特に警鐘を鳴らしていますが、現状、ライトノベル市場というのはかつての勢いは全くありません。
これはもうどうしようもない現実です。
市場規模とかでの検証はらんた様が行ってるので、そちらをご覧ください。
創作論の累計上位にいるはずです。
本記事は、実際の書籍が『売れる数』そのものに着目してみました。
データとして使うのはオリコンのランキング情報。
オリコンの紙書籍のランキングについては、かなり信頼性の高いデータであると思われるので、基本それをベースに考えます。
(2024/11/23追記)
色々調べてたら、だいたいこの2倍位の乖離はあるようです。
なので仮で2倍として記事を少し修正しました。
直近の情報となりますが、オリコンランキングの『ライトノベル』分野のランキングを、WEBで閲覧できた範囲の2024年9月二週目から10月二週目までをみて、数字を書き出してみたので(データをそのまま掲載するのは著作権に触れるので出しません)、その内容についてからまず。
9月に関しては圧倒的なのが佐伯さんの『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』です。
9月二週目が多分初出でしょうが、そこを含めて三週間、トップ10のランキングに登場し続け、その推定売上部数は合計で三万を軽く超えてます(特典同梱版含む)。さすが『このラノ』で全賞総なめにした作品。
初週に限れば、文庫全体でもランクインしてるすさまじさです。
9月発売でそれに続くのは佐島勤さんの『魔法科高校の劣等生』のシリーズ、西尾維新さんの『物語シリーズ』、鎌池和馬さんの『とある魔術の禁書目録』シリーズ、あとは先日アニメになって好評だった燦々SUNさんの『ときどきロシア語でデレる隣のアーリャさん』などが、9月累計の売上部数としては一万を超えてます。
10月は私が見た時はまだ第二週までしか情報がなかったですが、圧倒的なのは鴨志田一さんの『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』で、10月二週時点ですでに三万部弱の売上をたたき出してます。こちらも文庫全体でもランクインしてて、その勢いは『お隣の天使様』をも上回ります。さすが、劇場版まで作成された作品なだけはありますね。
それに続くのが『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン16』で、二週時点でこちらも一万部超。ただ、多分SAOの方は二万部に届かないくらいだと思われます(これはスピンオフだからで本編はおそらく平然と数万部届く作品ですが)
そして。
実はここまでに挙げた作品以外、少なくとも9月から10月にかけてのオリコンのランキング情報上では、一万部を超えるものを確認できませんでした。
なんと長月達平さんの『Re:ゼロから始める異世界生活39』すら、です。
ただこれに関しては、おそらく発売週の数字が八千部あまり、翌週のランキングの10位が2800部あまりなので、それ以下になってるとはいえ、おそらく一万部は売れたとは思いますが……。
多分一万部届いてるのはこの辺りだけ。
さらに言えば、先に挙げた作品以外、ランキング十位以内(ラノベランキングはオリコンでも十位までしかない)に二週連続で入っていた作品は、一作もありません。
発売初週は十位以内にいたとしても、翌週には
つまり、総売上部数は一度十位以内にランクインしていたとしても、せいぜい四千部から五千部。下手するとそれ以下。ちなみにこの一週でランキングから消えた作品には、なろうやカクヨムで書籍化して発売されたものも入ってますし、カクヨムで不動の累計一位を誇る『転生したら山の中だった』すら含まれます。もっともあの作品は、書籍としては高単価商品(税込1430円)なので、そのあたりも理由にあるとは思いますが。
初出が10月二週目という作品は三週目に残ってる可能性は……ほぼないでしょう。
(11月3日追記)
おそらく発売日の都合でしょうが、三週目に残ってるのが二作品ありました。
ただこれは、発売日が10月19日で、当該の第二週というのは10月13日~10月19日なので、おそらく発売日の翌日購入分とかは第三週扱いになったためでしょう。なので、次の第四週に残ってるかといえば……可能性はやはり低そうです。
合計八千部近く売れてる『スパイ教室12』が、あり得るかも?
あと、これは完全に見落としていましたが、『賢者の弟子を名乗る賢者21』も二週間連続(9月第四週・五週)でランキングにはありました。
ただこちらも同様で、発売日は本来九月第五週である9月30日なので、いわばフライング販売分が数えられていてただけだと思います。
基本的に、初週で七千部以上はないと、ほぼ翌週には残ってない感じです。例外はアニメ化効果が継続してたと思われる『ロシデレ』くらい。それでもアニメ終了の9月最終週にはランキングから消えてます(ただしこれは発売から5週間残っていたようです)
そしてランクインできなかった作品にいたっては、総数で三千部も売れればいい方ではないでしょうか。
オリコンランキングの数字と実売部数の差を仮に2倍としても五千部届いたかどうかとなります。
正直、私が出版社の営業担当だとしたら、売価八百円程度の文庫本でも発行する部数は刷っても五千部から七千部。それ以上は積みません。
それ以上は返本される可能性が高いと思われるので。
販売単価が仮に八百円だとして、印税率が10%なら、五千部発行なら四十万円。千四百円と高単価の新書版だとしても、七十万円ですね(高い分発行部数が減る可能性は無視してますが、実際には高単価書籍の売上部数は明らかに少ないと思われますので発行部数も絞られるかも)
実際には電子書籍版の方もありますが、小説の電子書籍の売上はぶっちゃけ紙の本と同等かそれ以下だと聞いたことがあります(漫画は別)し、紙の本と違って文字通り売れた分しかお金は入りません。多くても発行部数の倍に達するのも難しい気がします。
……マジでラノベ作家ってどうやって生活しているんだろうと思えてきます。
これに対する回答は、おそらくコミカライズされている場合の印税だと思います。
コミカライズの印税は私の知る契約だと漫画家と折半。おおむね半々です(ただしこれは契約次第でしょうが)
つまり5%とかそのくらい。
ただ、コミックの売れる量は小説より基本的に多いです。
というのは、電子書籍分野は漫画(コミック)がその成長を牽引してます。その売上はすでに紙のそれを完全に上回っています。おそらくそちらの方の収益の方が、作家にも多いのではないかという気がします。
コミカライズは原作者の労力はあまりかからないかもしれず、その場合そちらは事実上不労所得に近い……かも?(詳細は知りませんが)
とはいえ、雑記の一つ目『職業作家の難易度』でも書いたように、人気シリーズだろうがいつか終わってしまうわけで、次のシリーズが最低でも同じくらい売れなければ、収入が消えます(コミカライズがまだ続いていてて収入があるケースはあるでしょうが)
だから、人気シリーズがあるうちに次のシリーズを書いていくか、または人気シリーズを延々続けていくかのどっちか。
実際、『とある』『Re:ゼロ』なんかはもう何冊目だろいうというレベルですが、その水準で売れるような別作品を書くのは難しいのでしょうね。
ちなみにラノベ作家の一人、賀東招二さんの『フルメタルパニック』は累計一千万部を売り上げた大人気シリーズですが、続く『甘城ブリリアントパーク』『コップクラフト』はそれぞれ四十万部と二十万部と、普通に見れば十分すごいとはいえ、『フルメタルパニック』と比べると明らかに低い売上に留まってます。
どちらのアニメ化までされてるのですが(続刊が出てないのも大きいと思われますが)『フルメタルパニック』ほどのビッグタイトルにはなれなかったのは否めないところでしょう。
二作目以降をヒットされる難しさが垣間見えます。
もっともこの方の場合は、アニメ脚本家としての道も歩んでいるので、今のメインはそちらかもですが。
この『二作目以降』の厳しさは身近なところでも『やっぱりなぁ』というのがあって、うちの下の子はこの手のライトノベルが好きで色々読んでまして、転スラも好きで持ってもいるのですが、「この作者の新タイトルが出たら読む?」と聞いたら「わかんない。でも多分読まない。作者で読みたいわけじゃないし」とあっさりと。
継続して小説家を名乗り続けるのは、本当に厳しい道だと思わされます。
小説家として生活をしていくためには色々条件こそあれ、とにかく『コミカライズ』が最重要だと思われます。小説単体では、『ソードアートオンライン』『転スラ』『お隣の天使様』『青春ブタ野郎』『物語』などのタイトルと肩を並べるほど売れない限りは、どうやっても難しいかと。
もしコンテストでのデビュー狙うなら、むしろ『コミカライズ確約』となってる方がいいでしょうね。
が。
言うまでもなく、これ自体相当難しいし厳しい。安定性を欠きます。間違いなくサラリーマンの方が、収入は遥かに安定します。
ついでに、社会保険とか半額は会社が持ってくれますから、実際の天引き額は少なくて済む。
まあ作家の場合は色々な費用(一部生活費を含む)を『経費』とすることができるので、手取り自体は名目の金額が同じなら作家の方が多くなるでしょうが、その分そういった事務の手間も増えますね。
ちなみに、良く言われますが、アニメ化では作家には実はインセンティブはあまりないそうです。これは、仮に映画になっても同じで。
映像化の場合は、原作使用料とその後ソフト販売時に売上に応じたインセンティブが発生します。
ただ問題は、これらの金額は出版権(正しくは二次使用権)を持っている出版社に対して支払われるもので、作者に入る金額がそのうちのどのくらいであるかは、出版権を設定した契約書次第。これは、一般的に出版契約には作品それ自体の二次使用権についても含んでいることが多いためです。
出版社が窓口になって処理してくれるという点では便利ですが、裏を返せば当然ですがマージンを取られるわけで、そういった二次使用料(原作使用料もこれにあたる)は一度出版社に入って、それから配分されるんです。
有名なところでは映画『テルマエ・ロマエ』で、原作者への原作使用料は百万円だったらしいです。元々映画の原作使用料は上限が一千万円までらしいですが。
なお、配給会社から出版社に払われた金額は不明。出版社も慈善事業ではないので、マージンを取った後の金額が百万円というわけです。
この割合は契約によって定められるのですが、最初には未定なことも多いようです。まあそんな風に展開できるかどうかわかりませんからね。
最初にそこについて突っ込める作家は……あまりいないでしょうしねぇ。
私は仕事柄、その関連の契約をここ一年でやたら見るようになったので、必然的に勉強する羽目になって(本業は違う)結構詳しくなってしまいましたが。
まあ書籍化とか縁がないから自分自身には関係ありませんが。
出版社からしても言い分はあって、赤字リスクを抱えて書籍化をいくつもして、その中で映像化されるほどになった作品でそこまで育たなかった作品による赤字を回収したいというのもあるんじゃないかと思います。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるじゃないですが、昔と違って『作家を育てる』ということをしませんしね、今の出版社(特にラノベ系)は。
とはいえ映像化は宣伝効果含めて書籍の売上にも非常に大きく寄与するのは、『ロシデレ』とかの売上を見ても明らかでしょう。
裏を返せば、本当に小説『だけ』しかない場合は、おそらく職業としてはすでに成立しないほどに厳しいのがライトノベルの現状です。
それに、『本が売れない世相』がさらに拍車をかける。
こういうとなんですが、おそらく現状の『ライトノベルが売れない』のは、メインの購買層にしたい十代から二十代、三十代に余裕がないことが一つあるでしょう。
一冊七百円くらいの本を買うのにも、躊躇する。
気軽に新しい本を買うことがなくなっている。お試しで面白そうだから、と買う人はおそらく非常に少ない。
これは、娯楽の多様化とも無関係ではないでしょう。
昔は娯楽に対する読書の占める割合は決して小さくなかったと思いますが、現代はそれ以外にも大量に色々供給されていて、しかも無料で享受できる娯楽も多い。文字通り選択肢が多過ぎて、結果として本を選ぶ人が減っている。
そこに少子化という要因まで重なります。
私は、いわゆる最も数の多い『団塊ジュニア』世代に当たりますので、自分たちの購買それ自体が市場に与える影響が大きいのは、学生の頃から肌で感じてました。
実際、同世代で流行ったジャンルや商品が常に売上で上位に来ることが多かったです。
ぶっちゃけますが、ライトノベルもそれだったと思います。
ライトノベルがいつから始まったかは意見が色々ありますが、少なくとも私たちの世代で流行り始めたのは、『角川スニーカー文庫』が角川文庫から分離したり、あるいは『富士見ファンタジア文庫』が創設された1990年前後(電撃はその後)からじわじわと流行り始め、その頃にアニメ化される作品も増えました。
その頃に『スレイヤーズ!』や『ロードス島戦記』『フォーチュンクエスト』、少し時代は下りますがフルメタルパニックなど、二十一世紀最初の数年くらいまでのこの頃は、本当に『ライトノベル』が上り調子だったのは間違いないでしょう。
正直に言えば、1990年頃はそれらを視聴してたのは、いわゆる『オタク』と呼ばれるような一部の人間でしたが、全体の人数が極めて多いため、一部でも相当な規模になる。加えて、今よりは購買力が(学生でも)あった。
そしてその頃にインターネットが一般にも浸透し始めて、それまで隠れて楽しむか、わずかな仲間内だけで楽しんでいたそれらコンテンツが好きな人と、ネットを介してつながれるようになることで、実は意外にみんな見てるとなって、やがて『オタク』という言葉自体が侮蔑用語(かつてはそうでした)でなくなっていった。
そこから2000年代後半になると、インターネットはもう当たり前になり、WEB出身のライトノベルが増加。ソードアートオンラインや『魔王勇者』などはこの辺りで登場した作品だったかと思います。
そして最大の転機はやはり『小説家になろう』が登場したことでしょうか。
このサイトが始まったの自体は2004年ですが、その認知度が上がったのは2009年頃。この時に大幅にリニューアルし、これ以後今のスタイルになったようです。
ここから生まれた人気作品が『転生したらスライムだった件』『薬屋のひとりごと』『本好きの下剋上』などであるのは言うまでもないでしょう。ちなみに『魔法科高校の劣等生』も元はなろうです。黎明期と言える2008年頃の作品ですが。
ともあれこれらの成功を見て、多くの人がこの分野に集まってきた……のですが。
その一方で、本来のメインターゲットの読み手(買い手)である十代から三十代の人口は、大幅に減少。
最大人数を誇る『団塊ジュニア』は2010年代になると三十後半から四十代ですからね。そろそろ家庭を持ってる……人ならまだいい方で、生活が厳しい人が多いのも事実です。当然、そういう『娯楽』に金を供するのも難しくなっていった。
必携ツールであるスマホの存在もあって、それで無料で遊べる娯楽があることで、本自体を買う人が激減。
これは私もそうですが、今通勤電車で本を読んでいる人は、学習参考書を読んでいる学生か、あとは私以上の年代の方くらいです。あとは稀にビジネス書を読んでる社会人で、ほとんどの方はスマホを見てます。
まあ私も『コリラックマのねじ巻きレンジャー』とかやってますが(ぉぃ
スマホがなければ多分本はまだ読まれている気がしますしね。
一方で作品の供給は増加する。
そうなるとどうなるかといえば、限られた購買力(パイ)を奪い合うという状況が起きるわけで、安定した面白さが保証された作品(転スラ、薬屋等の人気作品の続編)以外が売れるのは難しくなっていくわけです。
正直、
もちろん、前述した最高クラスの人気作の様に、一冊出せば二万部は固いというなら話は別です。
ですが2024年現在でもそれだけ売れるそんな超人気作は、ラノベ全体でも本当にごくわずかです。かつてはもっとたくさんあったとは思いますが、これは供給作品数が少なかったのもあるかもです。
コミカライズの売上込みでなら話はやや変わるでしょうが。
もちろん、実際には発売初週だけがすべてではありません。
あとから興味を持って買ってくれる人もそれなりにいるでしょうし、テレビアニメになれば原作に興味を持って買ってくれる人もいます(テレビアニメ化は基本的に原作を売るための販促の色合いが強い)
ですがそれに届くのも、ごく一部。
以前に『職業作家の難易度』でも書いたように、小説家として食べていくというのは途方もない修羅の道です。ぺけったーとかでも何人かフォローさせていただいていますが、本当に大変だろうなぁ、と思うし。
ビッグネームである『田中芳樹』『東野圭吾』とかは本当に例外。
……ああ、そういえば。
そのオリコン文庫ランキングですけど、9月の二週目に東野圭吾さんの本が一位なんですがね。なんとその後、10月の二週目まで、六週間ずっと一位です。どれだけよ(汗)
軽く二十万部くらいは売れてる計算。
ちなみに9月の二週目の二位が、なんと赤川次郎さんの新作。この方、まだ現役だったんですね……すごい。うちの母より年長なんですが。
また、 ぺけったーでフォローしてる知念実希人さんの『猛毒のプリズン 天久鷹央の事件カルテ』も高ランクを維持。
ちなみにこれらはいずれもミステリ。
つまり紙の本の場合、やはりミステリは圧倒的に人気があるんですよね。他も上位に結構食い込んでます。カクヨムではイマイチですが。まあコミカライズとかはあまりないので、小説のみで勝負してるところはもちろんありますしね。
東野圭吾さんの作品とかは実写化があった気がするし、知念実希人さんのは今度アニメ化しますが。
正直、今、田中芳樹先生が新作発表したらどういう反応になるんだろうなぁ、とは思いますが……多分私は買いますが(笑)
もっとも、さすがに今、かつてほどの面白さがあるかどうか(作者自身が年齢を重ねてしまったのは否めない)というのもありますが……。
銀英伝やアルスラーン、マヴァール年代記、地球儀シリーズ、創竜伝。あの頃は本当に全部面白かったですね。
今、あれほどのパワーを持った面白さを提供してくれる『作家』って……すぐには思いつかないですね……正直。
追記です。
上記でも書きましたが、 正直、現在ラノベが売れない最大の理由って、結局のところスマホのような気がしてきました。
特に大学生って、通学時間どのくらいでしょうか。
高校と違って、近所にあるとも限らないから、30分から1時間くらいは普通に電車に乗ってることもありますよね。
私なんて遠かったから2時間近かったし。
で、私が学生の頃、言い換えるなら持ち運び可能なデバイス(そもそも当時インターネットがほとんどないが)がない時代の暇つぶしのお供は、小説(電車が混むので文庫本)だったんですよね。
だから色々読む。
当然買う。
当該記事で数百円を惜しむと書きましたが、学生の懐事情って30年前と今で、そこまで劇的に変わってはいない気もします(社会人以降は大幅に違うが)
お昼ごはん代2回分くらいで文庫本が買える。あとは同じ趣味の人がいれば、貸してもらえたりもするから、そこまで一人で買わなくてもいい。
一か月に二冊くらいなら買えなくもないでしょう。
が。
今の子らはそれが『無駄』だと思う。
なぜかというと電車の中でスマホがあるから。
それで見れるコンテンツが多いので、わざわざ『別に』文庫本を持ち歩くこともしない。結果、本を電車の中で読む人がほとんどいないわけで。
結局これが紙のラノベ市場が衰退した最大の要因な気がします。
ただ、これも悪い話ばかりではなく。
小説が電子書籍で弱いのは今更ではありますが、それでも電子のメリットがある。
いわゆる『ロングテール売上』と呼ばれる部分で、紙書籍の場合在庫を抱えてしまう都合上、返本され(そして裁断され)販売されてなかった潜在的需要は、電子ではそういう問題がほぼないので、いわば『永久に』売り続けることができる。
結果、それまで捨てられていた需要を、多くはないですが売上に結び付けることで、全体の売上としては細く長く売れていくことになるそうです。
当然これにはスマホ等のデバイスが必須なわけで。
ただ、スマホの小さい画面で数百ページの小説を読む人……あまり多くはないですよね、現状。
だから短時間で読める(無料の)WEBが歓迎される部分もあるのでしょうが……。
裏を返せば、需要がないわけではないので、そのあたりにうまく訴求できれば、ライトノベルとしては再度巻き返すことも不可能ではないかもです。
ただそれには、無料のものとの明確な差別化が必須ですが。
あるいは『スマホで読む』ことに特化したスタイルというのが出てきたら、そういう作品は今後伸びるのかもしれないと思いました。
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