AIについて
最近非常に話題になってるAI、略さずに言うならArtificial Intelligence、直訳すると『人工的な知性』となるこれですが。
この概念の発祥は古く、実は半世紀以上前にアメリカの研究者がすでにその考えを提唱しています。
その後、コンピューターの発達とともにAIの能力は進化を続けて、インターネットの普及によって、それまで学習教材を人間が入力していたのが、自動的に収集可能になったことで劇的にその能力が向上し、現在ではChatGPTに代表されるAIが、色々な分野に進出しています。
現在では、少なくとも単純作業においては、人間がAIに勝てる可能性はないでしょう。AIは原則揺らぎがなく、必ず(他に不確定要素がなければ)同じ結果を出す能力がありますから。
ただ、それじゃあAIがありとあらゆる人間の活動をカバーできるかと言えば……現時点ではわからない、と言わざるをえません。
現状で、絵や文章ですらAIは描いたり書いたりすることができるようになってます。ただ、それは膨大な学習データの蓄積による『模倣』なんです。
たとえば、オリジナルのタッチによるイラストを描くということができるかと言えば、おそらくそれは不可能でしょう。
極論、腕の制御だけができるAIの『腕』にクレヨンを握らせたとして、それでAIが絵を描くことができるかと言えば……多分まだ無理じゃないでしょうかね。
ただ、おそらく人間の子供、それこそ二歳児くらいでも、持たされたらとりあえず振り回してみるでしょう。
そうすれば、なんか線が描けると気付く。
そこから、やがていろんなものを描いていくということができる。
つまり、『何もない』場所から発見ができる。
少なくとも現状では、これはAIと人間の差になってると思います。
おそらくAIには『分からない』ことはできないんじゃないかと。
分からないことを『試してみる』のは現状人間(あるいは動物)だけの能力だと思います。言い換えるなら、AIは課題を与えられれば人間以上の能力でそれをこなせますが、課題を自ら見つけるということは、少なくとも現在のAIではできないんじゃないかと。
無論これとて、永遠にできないわけではないと思います。
いつかそれもクリアされるでしょう。
ただそうなれば、おそらくもうそれは人間と変わらないといえるわけで、SFとかによくある、AIの人権問題とかの話が出てくるような未来になるでしょう。
ただそれは同時に、毎回絶対に同じ結果を出すわけではないAIになってる可能性もあり、処理速度が速い以外の利点を失ってるかもしれません。
極論、人間の脳だって結局電気信号の塊で思考が行われています。
これと全く同じものを生成して、機械として完成させれば、それは人間と同じものが出来上がることになります。
完全な人工知能ですね。
しかも処理速度は人間より大幅に高くできる。
それはもう人工知能ではなく、一つの人格の可能性もありますが、ではそもそも人工知能に人格が宿るのかという疑問にもなるでしょう。
魂の問題とかになりそうですね。
まあ、現在のやり方(外部から教材を入力あるいは自分で取得して学習・成長する)では、おそらく人格が宿ったAIを作ることはできないと思います。
おそらく根本的に育成のアプローチを変えないと無理でしょう。
ただ、遠い未来ではそれも達成される可能性は否定できず、それはあるいは文字通りの意味で新しい人類と言えるかもしれません。
ソードアートオンラインのアリシゼーション編でそういうアプローチが行われてましたね。
と、凄く未来の話をしましたが。
翻って現在の話。
ChatGPTなど、すでにAIは多くの場所で活用されています。
ただ、現実の法律、さらに言えば観念がおそらくついてきていません。
AIが膨大なイラストを学習し、それらを融合して作ったイラストは果たして元のイラストの著作権を侵害しているのか、といった問題は常に発生してます。
そのため、イラストレーターにはAIへの学習を拒否する人も少なくなく、それらを自動的に行える技術とかも出てきてます。
これは文章でも同じでしょう。
ただ、おそらく多くのイラストレーターもライターもそうですが、他者の作品を何も見ないで、今の自分の画力なり筆力をつけた人は、おそらく一人もいないでしょう。そこには、少なからぬ先達の作品のインプットがあった筈です。
ではそういうクリエイターとAIの違いはどこか、といえば……結局、オリジナリティを持たせられるかどうかというところになるでしょう。
現状のAIは、究極的には、必ずどこかの模倣しか作れません。
対して人間は、そこからオリジナルの何かを作ろうとします。
まあそれが結局誰かの模倣になっていることはあるでしょうが、少なくとも本人にとってはオリジナルであろうとする。
これが現状のAIではおそらく不可能。
AIは結局インプットありきなので、最終的にはその著作物がどういう経緯を経て作られたかというのは、インプットデータを
ですが、人間の場合はそれは出来ない。
作家が『こういう人の作品が好きだから影響を受けたと思う』と言っても、それでその作品を
結局そこの違いなんだろうとは思います。
ただ、将来的に、AIに『自分の作品(絵や文)』を読み込ませて学習させて、製作時間を短縮するといった技法は出てきそうだとは思いました。
というか、もうやってる人もいるかもですね。
先日、芥川賞の受賞作家が、AIを利用した書籍で受賞してますが、全体の5%ほどはAIから出力された文章そのままだったそうで。
ただ、この文章の『元』になったものがなんであるかで、それは誰の文章なのかは変わってくるでしょう。
現状のAIはあくまで膨大なデータを基にした推論の出力装置です。
そして便利な道具です。
実際、AIによって人間の活動領域が奪われるという人もいますが、現実問題、人の数は減ってきています。
インドなど一部はまだ増えてますが、あそことて百年待たずに減少に転じるでしょう。それは、地球が抱えられる人口の限界がもう近いからでもあると思います。
そして、人間が働く場所をAIに奪われると危惧する人は多くいますが、極論、働く必要がない社会を実現しうるのがAIでしょう。
究極的には、人間がなぜ働くかと言えば、食べるためです。
原始的な社会では、食料を得るために人々は活動していました。
じゃあもし、食料、それに日常的なインフラなどのあらゆるものがAIおよびロボットによって『無償』で提供されるようになったらどうなるか。
また未来の話になりますが、究極的には、全く働かなくても普通に生きていける社会になった場合、その社会はいったいどうなっているのか、と言えば……正直わかりません。
SFの題材として想像して書いてみるのは面白そうですが、本当にどうなるのか。
この手の話では良くAIが『人類を不要』と判断して戦争になるモノが多いですが、そうならないであらゆる生産活動をAIが担っているなら、果たして。
考えてみても面白いかもしれませんが、雑記で軽く考える内容じゃない気がしますね。
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