第18話 巨大化

 巨大化した俺は、巨大オーガに立ち向かう。

 巨大オーガは、俺に向かってこん棒を振り下ろす……!

 俺はそれを腕でガード……!

 しかし、俺の腕はボキボキに折れてしまう。


「いってぇ……どんな威力だよ……!」


 だが、俺の持つ、べへモスから得た【自動回復】スキルのおかげで、俺は瞬時に回復する。

 そう、俺には暴食スキルのおかげで、モンスターから得た無数のスキルがあるのだ。


「うおおおおおお!!!!」


 俺はバハムートから得た【火炎放射Lv99】を放った。


「ゴオオオオオ!!!!」

「オガアアアア……!?」


 オーガの顔が丸焦げになる。

 だが、勢い余って、周りの建物にまで火が及んでしまう。

 さすがに住人は既に避難しているだろうが、このままじゃ街が大火事だ。

 まずい……。


 俺はとっさに、リヴァイアサンから奪ったスキル【水流放射Lv99】を放つ。

 街の火は消え去った。

 ついでに、オーガや冒険者の血で汚れた街路も綺麗になった。


 顔を燃やされたことで、オーガを刺激したのか、オーガは怒り狂って、俺に向かってくる。

 オーガの筋肉をむき出しにした、【強打】だ!


「オガアアアア!!!!」


 オーガの攻撃力はすさまじく、さすがの俺もこれを喰らって無傷とはいかない。

 しかし、俺だって二度も同じ手は食わない。

 俺はすかさず、オリハルコンゴーレムから奪ったスキル【硬化】を発動させた。


 ――キン!!!!


 オーガの攻撃は、俺の堅い皮膚に弾かれる。


「オガ……!?」

「次はこっちの番だ……!」


 攻撃を弾かれて、ひるんだ隙に――


 俺はオークキングから奪ったスキル【咆哮Lv99】を放った。

 

「うおおおおおおおお!!!!」


 俺が咆哮を放つと、周りにいたオーガ全員が、ひるんでその場にうずくまった。

 よし、今のうちだ……!


 お次はメガワームから奪ったスキル【粘液Lv99】を放つ。

 オーガたちの上に粘液を降らせて、まとめて拘束する。


 そして……


 ヘカトンケイルから奪ったスキル【百の手】を使用。

 俺の手は、百個に分身した。

 百個に分身した巨大な手を、思い切り握りしめる。

 そしてその手にも【硬化】をかける。


 硬化をかけて金属化した巨大な手は、いわば巨大な金属の塊だ。

 そんなものが高速でぶつかったら、どうなるか……?

 もちろん、相手は粉々だ……!


 そして先ほど、オーガたちから奪ったスキル【強打】を使用する……!!!!


「うおおおおおおおおおおお!!!!」


 俺の金属化したメタル強打をくらええええええええ!!!!

 俺は巨大オーガと一緒に、周りにいたオーガたちもまとめて、百本の腕でぶん殴った……!!!!


 すると――


 ――ズドーン!!!!

 ――ズチャ!ブチャアアアアアア!!!!


 オーガたちは真っ赤な肉の塊となって、そのばにぐちゃぐちゃになって倒れた。


「よし……!」


 かなりのスキルを使ったが、俺のスタミナはまだまだだぜ!


『うわ……ぐろいわね……』

『まあな……それは俺も否定しない……』


 あたりには、ぐちゃぐちゃにプレスされたオーガの肉の塊が散乱している。


 さて、オーガは全滅したことだし、これで一件落着。

 モカとリリシュは大丈夫だろうか……?

 俺はすぐさま巨大化を解除して、もとの大きさに戻った。

 そしてモカとリリシュのもとへ。


「おう、大丈夫か……?」


 すると、なんとリリシュの目がハートになっていて、俺のことを熱っぽい表情で見つめてくる……。

 こいつ……こんなんだったか……?

 リリシュは俺の手を握ると、こんなことを言い出した。


「しゅ、しゅきぃ…………♡」

「は、はい……?」

「強い男しゅきぃ……♡ 私よりちゅよい男ォ……! やっと見つけた……♡ しゅきしゅき! 結婚してぇん! トウヤの子供、ほしい……!」

「はあああああああああああ……!?!?!??」


 いきなりそんなことを言われて、俺は混乱してしまう。

 さっきまでと全然ちがうじゃねえか……!

 なんだこいつ……!

 変態じゃん!


『ほら、相手もこう言ってるんだし、よかったじゃない』

『よくない!』


 とりあえず俺はリリシュを引きはがす。


「ど、どうしちまったんだ……」


 俺はモカのほうを見て、助けを求める。


「それが……リリシュさん、トウヤさんの雄姿を見て、発情してしまったようなんです……」

「えぇ……?」

「リリシュさん、強い男性に目がないそうなんです。自分より強い男性をはじめてみたと言ってました……」

「そ、そんな……? いやそれにしても、おかしいだろ……」

「でも、その気持ちもわかります。私もますます、トウヤさんが好きです! リリシュさんと一緒に、私もお嫁にしてください!」

「も、モカまで……!?」


 これはもう……収集がつかないな……。

 どうしたものか……やれやれ……。

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