宇宙探検編
この気持ちは何かの勘違いのはず
ロテを抱き締め嗚咽するチルをみて、その深い愛をみて、俺は胸が締め付けられた
苦しい、苦しいよ
この感情は何?
俺はロテに激しく嫉妬している
記憶を失った蛻の殻となった男
チルの運命の人
いつから俺はチルに恋をしていた?
いつからこんな感情を持つようになってしまった
俺は隠し通さなくてはならない
こんな感情は殺さなくてはいけない
「ロテはこれからどうするの?」
「宇宙へ行くよ。」
これでお別れか
色々とあったが楽しかった
「行ってらっしゃい。」
俺はもう少し君と旅がしたいんだ
「よかったら一緒に来ないか?」
何を言っているのだろう
チルはこれから忙しくなる
戦争を終わらせて地球を救った英雄なのだから
「いいよ。ついてってあげる。」
きき間違えではないだろうか
「いいのか?」
「うん。この後すること特にないし。楽しそうだし。」
「「「「「「「「「「何その女コロス、何その女コロス、何その女コロス」」」」」」」」
なんだ、幻聴が聴こえる
「「「「「「「お兄ちゃんのバカ、お兄ちゃんのバカ、お兄ちゃんの―」」」」」」」
俺は罪深い
わかってる
この感情は幻だ
ちょっとしたバグだ
だからすぐに忘れる
「ありがとう。」
「あたしとキアの仲じゃない。それになんだか地球では偉人扱いされて居づらいし。」
チルは僕の横を通りすぎるように歩きながら少し溜息混じりに言った
「面白そうね。私も連れてってよ。」
ミチコさん!?
どうしてあのミチコさんが、俺たちなんかと宇宙に行きたがるのだろう
彼女だったら、宇宙探検なんて容易いだろうに
「貴様らといると飽きないからな。」
ミチコは、不思議そうな俺の顔をみながら言った
「どうする?」
「いいんじゃない。ミチコさんがいれば安心だし。」
「決まりのようだね。ありがとう。」
ミチコはにんまりと微笑んだ
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