ギィカの独白

 俺はギィカ

 魔界で産まれた生命

 俺は元々こちら側の生命ではなかった

 むしろ干渉してはならない存在だ

 

 俺は連れて来られた

 魔界からある探検家がこちらの世界に俺の一部を持ち帰った

 俺は抵抗した

 その探検家に俺の力は通用しなかった

 憑りつくことも出来なかったし、魔界の武器を能力で操って攻撃しても、弾き返された

 ゾッとするほど悍ましい力で守られていた

 

 その探検家は俺の一部をロテに練り込んだ

 彼は人と亜人の子供などではない

 意図して人工的に作られた存在だったのだ

 

 彼は今も製造され続けている、俺の肉体は魔界で千切られ続けている

 千切られた俺の肉体は複製され、また次のロテに練り込まれる

 それを1億年以上繰り返している

 

 俺はロテに依存している

 ロテをなくして生存出来ないように改造された

 ロテには人と亜人の遺伝子が入っている

 人と亜人の血を元に製造されている

 

 ロテが強い憎しみを感じ絶望し、深い苦しみと怒り悲しみにある時、俺の力は覚醒し、その度に星を征服してきた

 

 宇宙中、魔界中に散らばる俺の複製体は今も世界中に広がっている

 そして俺はその記憶を共有している

 

 魔界の瞳は俺ではない

 ロテと俺の肉体がこの世の者を喰らい尽くした時にやって来る

 あの瞳が考えていることも、どういった経緯があって産まれたのかも、その経歴も知らない

 

 ジルとマキは言っていた

 いつかお前を助ける者が現れるだろう

 あの探検家に俺は全く影響出来なかった

 いい探検家だった

 あの2人の言っていたことは本当だったのかも知れない

 

 俺は、ロテに憑りつけなくなった

 この世界にも魔界にも帰れない

 俺は狭間にいる

 とても安らかな気持ちだ

 いつか、この眠りから覚める時がくるのだろうか

 その時、俺はどうするのだろうか

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