ロラベルの魔人
身体が動かせない
恐怖?
俺はモルトに得体の知れない悍ましいものを感じている
人知を越えた存在だと本能が危険だと察していた
「そんなに怖がらなくてもいいんだよ。かわいいねえ。ゾクゾクしちゃう。ふふ。」
モルトは唇に舌を入れてきた
「んん。」
強制的にベロチューされている
身体が動かない
痛い。痛い。痛い。
なんだ、何をされたんだ。
舌を嚙み切られた?
「ふふ。へへへへ。」
モルトは恍惚そうに不気味な笑みを浮かべている
「はは、君の舌貰っちゃった。いい舌だね。」
モルトは僕の舌を唇で挟んで見せびらかした
「食べちゃお~。」
モルトは俺の舌を咀嚼して飲み込んだ
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい
殺される
本能が逃げろと命じている
咄嗟にナイフを取り出してモルトの心臓目掛けて刺した
「へへかわいいねえ。そんな玩具じゃ僕は殺れないよ。」
かたい
かたすぎる
なんだこの女
人間のそれじゃない
ダイヤモンドかそれ以上のかたさをしている
モルトは僕の首を掴んだ
首が潰される
「やめて!。」
チルはアサルトライフルをモルト目掛けて撃つ
「はは、かわいいお嬢ちゃんだねえ。」
銃弾は急所に命中したが弾き返された
「なんなのよ―」
チルはガクガクと震えている
「なあにちょっと試してやってるだけさ。」
モルトは俺の頸椎を折った
俺は首が曲がって意識を失った
「この程度か。」
モルトは右手で持ち上げて俺を地面に投げ捨てた
「もう少し耐久力をみてみるか。」
モルトは意識のなくなった俺の顔面を1000回殴った
たった3秒の間に1000回殴った
「んん~、ぺちゃんこだなあ。そろそろ出て来るか。」
モルトは俺を殴る手を止めた
空間に黒い穴が開いて中から巨大な髑髏が出てきた
地面には骨が散らばっている
巨大な肋骨の奥に巨大な心臓がみえた
「はは、これがロラベル魔人かあ。」
モルトは感嘆した
「ロラベル?一体なにが起こっているの?」
チルは愕然としている
ロラベル魔人は骨の腕でキアを持ち上げた
「ちょっと、キアをどうする気?」
チルは叫んだ
ロラベル魔人がキアを持ち上げると両手で包み込んだ
禍々しい黒がキアを包み込んだ
するとキアの傷が癒えていった
元通りに修復されていく
「君は一体これまで何回死んでるのだろうね。」
モルトは小さく呟いた
「ねえ一体キアに何をしたの?」
チルはモルトにたずねる
「試しに殺してみたのさ。」
モルトは答える
「あの髑髏は何?」
チルは髑髏の方をみた
「あれは、ロラベルの首飾りによるものだよ。」
モルトはいった
「彼、強化人間手術を受けたいんだってね。」
モルトはチルの方をみてきいた
「ええ。どうして知ってるの?」
チルは答えた
「この街に入ってからの君たちの会話はだいたい把握してるからだよ。」
モルトはいった
「バカだねえ。強化人間手術の成功確率は現代医学を以てしてもたったの3%。死に行くようなものだ。」
モルトは呆れた様子でキアとチルをみた
「それに例え成功したとしても宇宙の過酷な環境で精神がやられて死んじまうんだよ。」
モルトはまだ意識のないキアを殴った
「うあッつ。」
痛い、俺は痛みで意識を取り戻した
「やめてこれ以上はキアが死んじゃう。」
チルは泣き叫んだ
「まあみてろ。」
モルトは俺の手足を大きな釘で刺した
「ムーリルの大鎌。」
モルトが背後に10人現れた
10人のモルトは大鎌を持っている
夢か
幻でもみているのだろうか
「死ね。」
鎌で首を真っ二つに斬られた
何度も身体を斬られた
バラバラにされた
「な、なにするのよ。ねえ。」
チルはアサルトライフルでモルトを撃つが身体を通り抜けていってしまう
「幽霊?どうして―」
チルは震えていた
「精神時間にして7000年。こいつには苦痛を味わってもらう。」
モルトはキアの死骸に猿轡を噛ませて鞭で叩いた
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