あの人を探して
ユーリ―団基地
時はキアとチルの遭遇時に戻る
「この辺りは危険だから、とりあえずついてきなよ。」
チルは俺の方をみて提案した
「あ、どうもありがとう。そうします。」
チルは俺の様子をみて満足げに頷いた
「キア君は、どこに行く予定だったの?」
チルさんは探り探り話かけてきた
「プリン研究所です。」
「あ~、強化人間手術受けるの?」
「はい。」
「そっか。上手くいくといいね。」
云々。
他愛ない会話の中でお互いを知っていった
「あたしは亜人だけど君は普通に話してくれるよね。」
チルは横目でチラりとこちらをみた
「チルさんは悪い人ではなさそうなので。」
俺は亜人も人も同じに思えた
人にも亜人にも命を狙われ続けてきたから
「嬉しいこといってくれるね。」
チルは機嫌よく鼻を鳴らした
彼女はどうやら機嫌がよくなると高めに短い鼻歌を歌うらしい
「あたしは亜人と人の架け橋になりたくてね。ナルゼンを止めたいんだ。亜人削除の会も止めたい。」
無理だ
理想でしかない
無謀だと思った
夢物語だ
今もあちこちで人と亜人が殺し合っている音がきこえる
「無理だって思ったでしょ?」
「ごめん。現状をみると難しそう。」
「だよね。でもあたしはやるよ。そのために軍人になった。この先にユーリー団の基地がある。そこは比較的安全だよ。」
ユーリー団
確か、亜人と人を分け隔てなく助ける組織だったな
「ここよ。」
【ユーリー団ルー大陸中部基地】
敷地面積 3000坪
バリケードで囲まれている
300人ほど住んでいる
主な業務
医療
亜人受け入れ
難民受け入れ
【ユーリー団の企業】
ユーリー機械農業
ユーリーロボット設計
ユーリー半導体設計
ユーリ採掘
ボン財団の支援あり
ユーリー団は自らで産業をやっている。
思想は亜人と人の共存
「チア。大変なことになってしまったね―」
基地に入ると中からラッコ族らしき白衣姿の女が出てきた
深刻そうな表情で沈んだ雰囲気だ
「ええ。」
「それでそちらの子は?」
白衣姿の女は俺の方をチラリとみていった
「今回のテロに巻き込まれた子よ。飛行機にも乗ってたみたいだけど、奇跡的に助かったんだって。」
チアは答えた
「生存者がいたのね多分その子以外この辺りだと助かった人はいないわ。手遅れだった。」
白衣の女は少し沈んだ声でいった
「キアです。どうも。」
俺は軽く会釈した
「うんうん。メルトだ。」
白衣の女は頷いて、名乗った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます