ごめん、リア
「リア、俺、探検に行くんだ。」
家を出てくことをリアに言ったのは、リアが7歳で俺が15の時だった
「やだやだやだやだやだやだやだ―」
リアは壊れたように、連呼して首を振った
「キアは、あたしと結婚するんだ。」
突然の告白に、困惑し、フリーズした
カヨさんがこれきいたら、俺を憎んで、激しく嫉妬し、嘆くだろうな
「キアは、あたしたちとずっと一緒じゃなきゃ厭!。」
動揺している俺に構わず、リアはみつめてくる
「ごめんリア。」
「やだ、やめてよ。リアがんばるから―、一緒にリアも連れっててよ!。」
リアは、俺と一緒がいいらしい
「カヨさんが悲しむよ。」
「いいもん。キアの方が好きだから。」
グラっとした
昇天しそうだ
天使か
「リアは俺の妹みたいなものだ。結婚は出来ない。」
「―関係ないよ!。あたしたちの愛は変わらないよ。神様は禁止してない。」
ああ、どこで間違ったのだろう
「俺はリアを恋愛対象に思ってない。」
「いいよ。絶対振り向かせるから。」
どこからその自信が来るのだろうか
リアリアを使えば、俺なんてすぐに虜に出来るか―
けれど、リアが俺にリアリアを使ったことは一度もなかった
「リア、右手の中指出しな。」
俺はリアの右手の中指に、プシュケの糸を巻いた
プシュケの糸、両親の遺したアイテムの1つ
巻いたものの命がなくなるまで繋がれる糸
2人のいる方角が互いにわかる
「これ何?」
「プシュケの糸。この糸は俺が死ぬか、リアが死ぬまで切れない。互いのいる場所の方角が体感でわかるようになる。」
俺はじぶんの右手の中指にプシュケの糸を巻いた
「離れていても、ずっと一緒だよ。」
「そんなの子供騙しだよ。キアのバカあ!。」
リアは頬を膨らませて、不満そうにした
2週間後俺は家を出ることにした
「カヨさん、俺、明日の朝、発つよ。」
リアの事が気掛かりだった
カヨさんもリアを心配している
あの日から、リアと俺は険悪な雰囲気になっていた
ちゃんと仲直りしてから、旅立ちたいな
「リアとちゃんと話したの?」
「口をきいてくれないんだ。」
「もう、仕方ないわね。」
カヨさんは、眉を顰めた
「リア、キア明日の朝行っちゃうんだって、いいのこの儘で。」
「キアなんて嫌い。キアなんて、大嫌いなんだから。」
「でも、本当は好きなんでしょ?。キアはしばらく帰って来ない。もしかしたら永遠の別れになるかも知れない。」
「わかってる。だから、会いたくない。」
次の日の朝が来た
「いってらっしゃいキア。」
カヨさんは、少し寂しそうにみえたが、俺を励ますように送り出した
「キア―、この前はごめん。」
リアがいた
バツが悪そうに肩を竦めている
「絶対、帰って来てよね。リア待ってるから。」
ちょっとの沈黙の後、思い切ったようにリアは口を開いた
少し頬を赤らめていた
俺の様子を伺っているようだ
「絶対帰って来るよ。」
「死んだりしたら、魂まで追いかけて、殺しにいくからね。」
こわいリア
ゾッと背筋が凍るような感覚を憶えた
【人類の宇宙探査の歴史 伝聞を繋ぎ合わせたもの】
・人類が宇宙に到達したのは、800年ほど前
・その50年後には月に到達
当時、月の民と遭遇し、船員は皆殺しにされたという伝説がある
・はじめて火星に到達したのが300年ほど前
火星の民と交流し、文明を地球に齎した
・強化人間手術が達成されたのが250年ほど前
・ワープ航法が確立されたのが200年ほど前
・宇宙開拓時代が現在まで続いているが、詳細は不明
・亜人が100年ほど前より宇宙から地球に現れ、人類と戦争中
現在、ルー大陸西部、エリーナ諸島南部、北ア大陸旧都市部で、争いが続いている
・亜人は100年前より地球に定住しているものもいる
保護区などもある
また、人類文明に多大な影響を及ぼし、地位の高い亜人も多く、亜人は生まれ つき宇宙の過酷な環境に耐えられるということもあり、人類の発言力は近年弱まってきている
・宇宙探査安全保障条約
強化人間になり過酷な宇宙の環境に適応できるものしか地球外へ探査に行けない
両親か、血の繋がりの深いものが強化人間であった場合、稀に生まれつきの強化人間、通称ナチュラル強化人間である場合がある
軌道エレベーターによる太陽系惑星衛星観光、宇宙船による太陽系観光ツアー、 視察は、強化人間でなくとも、基準をクリアすれば参加可能
※インターネットアーカイブの大海より引用
俺は宇宙を探検したい
まずは、強化人間手術を受けないと
強化人間手術は、莫大な手術費がかかるけれど、両親の遺産があれば、受けられる
その後は、宇宙船を購入するか、民間の宇宙船に乗せて貰おう
まずは、月に行ってみたいな―
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